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パニアケース・トップケースはいくつかのメーカーから発売されています。 しかし、ケースだけ購入してもバイクに取り付けることができません。 ケースとは別売りのフッティング金具(ステー)を購入し、バイクに取り付けなければならないのです。 このステーは車種毎の専用設計となっているため、まずはこのステーが自分のバイクに適合するものがラインナップされているかどうかが鍵となります。 このステーさえ発売されているのが確認できれば、後はそのメーカーの好きなデザインのケースを購入すればよいのです。 私の愛車VFR750F(RC36) 1990年式も、イタリアGivi社にてラインナップされていたためさっそく注文したのでした。 なんと納期の回答はは5ヵ月後。それでもこのメーカーしかラインナップが無いために、仕方なく待つことにしました。 | ||||||||||||||||||||||
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注文から半年後、連絡が無いので不安になりコチラから販売店に連絡を取ってみました。するとメールにて回答が・・・・
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『無いものは作る!!』というわけで、ステーを特注で作ってもらうことにしました。 バイクを一週間入院させ採寸してもらい、このバイクにピッタリのステーを作ってもらうのです。 東京都杉並区にお店を構える『モトコ』( http://www.motoco.co.jp/ )さんにお願いしました。 店頭には実物ケースが展示されているため、装着するケースを指定して、将来はトップ+パニアのトリプル構成にしたいため、それに対応した『ウイングラッグ2』を指定し、実際にバイクの横に(手で抑えながらだけど)取り付けてみて、ケースが大きすぎないかなどのイメージをあわせながら、ケースを変更したり細かく場所を調整していくのです。 ケースの取り付け場所はステーを工夫することで、前後の調整が効くので、『二人乗りをするのか?』などの走行条件を元に、なるべく重心が低く走行に影響を与えにくい場所を選定してもらいます。 あとはコレらをガッチリとバイクに固定するためのステーを作ってもらいます。 この辺りは『ワンオフ』の強みで、自分の好みを生かして作る事ができます。 (ちなみに、写真は完成後の姿。これだけでは強度が不足するため、カウルに穴を開けて、カウルの内側もステーが取り付けてあります。) | ||||||||||||||||||||||
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美しい〜♪。 ケースの大きさは、大きいものから小さいものまで、塗装色も色々とありますが、バイク本体の黒色にピッタリの黒塗装ケースは美しくマッチします。 私は将来トップケースも別途取り付ける予定なので、容量が小さなスリムなパニアケースにしました。 そのおかげで、左右の幅はサイドミラーと同じ程度なので、脇抜けも慣れればそんなに気を使う必要はなさそうです。 ステーさえ取り付けてしまえば、ケースの脱着は鍵を捻るだけ。簡単ですし防犯能力も持ち合わせています。
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GIVI社のE21パニアケースをチョイスしました。 型番からある程度わかりますが、容量は片側で21リットルとなっていて、パニアケースラインナップの中ではかなり小型の部類に入ります。 それよりも大型のものになると、パニアケース専用設計ではなく、トップケースをパニアと兼用する構造になっています。 E21はパニア専用設計のため蓋は当然上方に開きますが、兼用設計の場合は変な方向に開くことになるため、この辺りもチョイスの決め手になっています。 容量が小さいといっても、冷静に考えると『灯油のポリタンク(18リットル)より大きい』ので、かなりのものが収納できてしまいます。 一応、メーカーの指定最大重量は3kgまでとなっています。 鍵は『ロック位置』『ケース取り外し位置』『蓋オープン位置』の3段階で、防犯状態からすぐに取り外したり蓋を開けたりするモードに切り替えができます。 難しいのは鍵の管理。バイクの鍵と一緒にくくりつけてしまうとエンジンを止めないと蓋を開くことができない・・・。でも別に持ち歩いていると無くしそうだし・・・。 | ||||||||||||||||||||||
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トップケースやパニアケースを固定するためのベースが付いたラックのことを指すGIVI社の商品名です。全車種共通の部品です。 車種別に用意されたステーを使用して、このラックをバイクに固定することがパニアケース導入の第一歩となります。 このベースには、パニアをしっかりと支え、かつ鍵によるロック機構を受ける構造となっています。 かなりガッチリした作りになっているため、重量もソコソコあるんです。 色は黒しかラインナップされていませんが、愛車のバイク自体が黒塗装のため、全く違和感がありません。 『ウイングラック2』というぐらいですから、当然『1』もありました。特に構造に違いは無く、強度が異なり『2』はかなりゴツイ作りとなったそうです。 | ||||||||||||||||||||||
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パニアケースをつければ当然買い物とかが便利だし、レインジャケットや工具は常に搭載しっぱなしにできます。でもそんなことのためにコレを付けたのではありません。 やはりロングツーリングに使ってこそなのです。 初の実戦投入は『2007年秋の北海道ツーリング8日間』ですが、せっかくの防水製が高いパニアケースにもかかわらず、積載内容は重量バランスの関係から水没しても影響の無いキャンプ関連器具ばかりになってしまいました。 毎日が雨で、土砂降りの中を走破する日もあったにもかかわらず、中身は常にドライですし、キャンプサイトにもスッと持ち運びもでき、しかも自立するためテントの外(フライシートの内側)に置いておけるためテント内も広く使えて便利です。 搭載内容物も小さいパニアケースであるにもかかわらず、布製サイドバッグとほぼ同等かやや多いと言ったところで文句なし。 すばらしい〜。 | ||||||||||||||||||||||
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パニアケースには鍵がついています。 鍵を抜くには『ロック位置』(進行方向と直角)にする必要があります。この状態だと蓋を開けることができず、ケースを取り外すこともできません。鍵を引き抜くことができるのはこの状態のみです。 走行中や放置駐車中はこの位置にしておきます。 蓋を開けるには『蓋オープン位置』(進行方向と平行)まで鍵を捻ります。この位置では蓋開閉のロックが外れており、鍵自体は引き抜けないようにロックされているため、鍵を引き抜く動作をすると蓋が開きます。 GIVI E21は上方に蓋が開くタイプなので、いつ何時、蓋を乱暴に開けても内容物が散乱することはありません。 ケースの脱着は、『ケース取り外し位置』(進行方向から斜め45°)の中間位置まで鍵を捻り、かつ『リリースボタン』を押すことでケースが外れます。 非常にスピーディーに開けたり閉めたり脱着することが可能です。 | ||||||||||||||||||||||
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愛車のバイクにパニアケースを装着し、最初のうちは横幅が広がったことを意識して注意しながら走りますが、しばらく走るとだんだん慣れてきた気がします。 実際、スリムな幅のパニアケースGIVI E21は、脇抜けする際も前方のミラーが通り抜けられれば後方パニアも問題なくすり抜けられるほどスリムなので、渋滞中ですら『パニアケースを装着していることをほとんど意識する必要が無い』のです。 パニアを装着して1ヶ月が経過し、渋滞すり抜けもスイスイ〜。10年以上の付き合いで車体感覚は体に染み付いていると慢心、油断が生まれるのです。 片側2車線道路が渋滞中に、一番左側の路肩をすり抜け、大型車が左寄りに停車していたので中央すり抜けにスイッチ! スラローム走行をしたとたん・・・・ バキッ!! ん!? 何か音がしたぞ? そして軽い振動がバイクに・・・・ そのときは何が起こったのか気がつかず、しばらく走ったらパニアが全開になっていて、そして大きな亀裂が入っていたのです! ←マウスを重ねると、亀裂の様子が見れます。 | ||||||||||||||||||||||
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買ってすぐに壊したパニアケース・・・・。さすがにショックでしたがこの程度であれば接着して修復してしまおう! こんなプラスチック製品の接着には『プラリペア』だね! カウル修理のときにもお世話になっている周辺のプラスチックと同化させて完全固着する最強の接着剤です。 今回はその接着補修の顛末を、大き目の写真をたくさん並べて表現してみました〜。(普段は写真1枚でコンパクトにまとめて記事にする方針だったので・・・) ちなみに、この時点においては接着しようとしている物の『材質』になんてまったく興味を持っておりませんでした。 | ||||||||||||||||||||||
さて、接着するときの定石として、接着する部分の面積を増やすために傷口を斜めに削ります。 傷口に塩を塗るようなこの行為。修復のためと解ってはいても心が痛みますね〜。 面倒なので電動ドリルに回転砥石をセットしてグリグリと削り込みます。 | ||||||||||||||||||||||
左の写真が削り作業後の写真。写真だと見ずらいですがV字型に溝を形成しています。パニアケース自体が結構硬くて削るのが大変! もっともっと深いV字溝を掘りたかったけど、不本意ながらこの辺りで諦めることにしました。 | ||||||||||||||||||||||
プラリペアは『パウダー』と『溶剤』で構成されていて、本来は混ぜてドロドロの接着剤を作ってから流し込むのですが、広い範囲だと手間がかかります。 そこでV字の溝に先にパウダーを撒いてしまい、その上から溶剤を振りかけて接着したいその場でドロドロ接着剤を作り出してしまう作戦です。 溶剤を振り掛けるとあら不思議、パウダーが黒いプラスチックに変身します。 | ||||||||||||||||||||||
最後にボコボコに固まったプラスチックを、ヤスリ掛けをして綺麗に整えれば完成です。 完成後、試しに力をかけてみたら・・・・ パキッ! と簡単に外れてしまいました。どうしたプラリペア!! よく調べてみたら、パニアケースの材質は『ポリプロピレン』。これは接着が非常に難しい材質なのだそうです。 プラリペアの取扱説明書にも"ポリプロピレンは接着不可"と書いてあるし、もう一つの愛用接着剤『スーパーX』でも"ポリプロピレンは条件付接着可"(プライマーを併用する)となっていました。 その後の情報によれば、ライターで軽く炙って溶かして接着するのが一番良いようです。 | ||||||||||||||||||||||
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プラリペアで修復を試みたものの、パニアケースの素材であるポリプロピレンは接着できないらしく、テンションをかけるとパキッと取れてしまいそう・・・ そこで、テンションがかからないように物理的に補強する作戦にします。 ←マウスを載せると細かい写真が見れます。 ホームセンターで『L型アングル金具』を購入してきて、万力でつぶします! それをパニアケースに被せるのです。 少量の弾性接着剤とともに万力で握りつぶすようにパニアケースに被せ、そのまま24時間。完璧に接着しました。 これにより大きなヒビ自体にテンションがかからなくなり、普通に使えるようになりました。補修してから2年が経ちましたが、今のところビクともせずに安心して使用しています。 | ||||||||||||||||||||||
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2011年5月、パニアケースを使い始めてちょうど4年で悲劇がやってきました。 荷物を入れようかと思って鍵を差し回したら・・・・あれ開かない?? なんと鍵が真ん中で折れ、鍵の頭だけ回っていました。 GIVIの鍵シリンダー、どうも回りがスムーズではなくいつも結構力が入った状態で回していたのですが、それが『鍵』自体に金属疲労を蓄積させていたのです。 しかも最悪なことに、折れた鍵はシリンダーの中。 『鍵&鍵シリンダー』はそれだけで交換部品として手配可能なのですが、あくまでも開錠していてシリンダーが分解できる条件で交換可能なのです。 さ〜て、どうするか。 ラジオペンチでつまみ出そうとしたり、浸透潤滑剤ラスペネを吹き付けたり、無理やりシリンダーを回してしまおうとしましたが、全部失敗! 結局パワーで蓋を強引に開けたら、あっけなく開いてしまいました・・・・ | ||||||||||||||||||||||
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GIVIのパニアケースは結構細かく補修部品が設定されていて、壊れても部分的に交換が可能です。 鍵と鍵シリンダーも同様に交換が可能です。 しかし・・・・鍵は3桁の番号で管理された『種類』が存在(単純計算で1000種類の鍵がある。)し、部品手配時に『鍵番号の指定』はできません。 番号はシリンダーにも鍵にも刻印されているため、悪者がターゲットの鍵番号の刻印を盗み見て、鍵番号指定で手配できてしまうと・・・・を防止するためです。 この鍵を手配するときに、1セットだけ手配すると・・・・パニアケースの左右で鍵番号が異なってしまい、同一の鍵で開閉できなくなってしまうのです。 そんな時には同じ番号の鍵とシリンダーが3つセットになった『セイムキーセット』があります。(ちなみに2つセットは無い。)左右パニアとトップケースを同じ鍵で開閉したいニーズに答えるためのもので、パニアケースの場合にもコレを使用します。 これで壊れた鍵は回復しました。 そして教訓。2年ほどで鍵は交換しようっと! | ||||||||||||||||||||||
2011.05.08購入 デイトナ#35293 \3,570 | ||||||||||||||||||||||