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北海道ツーリングの際、ただ単に移動するだけの東北道・全680kmの往復がヒマで仕方が無い! そこで、MP3プレーヤーとイヤホンで音楽を聴きながら走行しようとしましたが・・・・イヤホンは走行中にずり落ちてくる!ので結局イマイチ。 そこで本格的なヘッドセットをヘルメット内に作りこんでしまおう! どうせ作るのであればスピーカーだけでなく、マイクも設置してしまえば、無線運用にも転用できる! というのがスタート地点でした。 幸い、アマチュア無線の免許も持っているのでちょうど良いし。 全体構成として、 1.ヘルメット内にヘッドセット 2.左ハンドルにPTTスイッチ(無線送信スイッチ) 3.手が届く範囲にアンプ回路&ヘルメットとの接続コネクタ 4.車体後方のシート下に無線機 5.最後部に無線アンテナ を設置する計画です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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まずは、ヘルメット内に設置するスピーカーの調達から始めました。 スピーカー自体は秋葉原とかの電気街に行けば安く手に入るのですが、スピーカーを保護するカバーが難しい・・・・。狭いヘルメット内に設置するので、ライダーがヘルメットを脱着する場合に接触する可能性や、押し込む方向に力がかかる恐れがあるため、布製の貧弱なやつではダメ。 また吸湿性があると汗なども吸ってしまい時間が経つととっても臭くなることも想像できました。 そこでいろいろ探したところ、金属製のスピーカーカバー付きのものが売っていました。用途もずばり『ヘルメット内蔵用!』なのでますます完璧! ステレオ再生に対応するためには左右1つずつ設置する必要があるため、2セット購入してきました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
TANAX製 MR-421 2007.05.19購入 \3360x2 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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続いては、マイクに関して考えます。 ヘルメットにマイクを装着して使用するので、普通にしゃべっていても風切り音ですべてかき消されてしまう・・・・そして防水性能が必要であるなど、マイクにとってはかなり条件が厳しそうです。 普通のアマチュア無線用マイクだと、これらの条件に適合しない恐れが大ですし、かといってF1とかにも使用されているケテルのマイクも妙に大きいので、ジェットヘルで使用するのには若干抵抗が・・・・。 そんなとき、オークションで白バイ用のマイク(クラリオン製EMA-036-102)が出品されていたので試しに落札してみました。中身を解析をしたらただのコンデンサマイクということが判ったので、アマチュア無線にも流用できそうです。 そして、そのマイクをヘルメットに装着するためのマイクホルダー。これもオークションでこの白バイマイク用に作成している方がいらっしゃったので入手しました。(写真右中央の白いヤツです。) ヘルメット側のヘッドセットとして必要な部品は全て入手完了。何とかなりそうです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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真っ白なマイクホルダー。もともとが白バイ用ヘルメットをターゲットにしているので当然といえば当然なのですが、私のヘルメットはアルミナグレー色。 このまま取り付けたのでは目立ちすぎます! そこで、塗装機材がそろっている模型のプロ(?)宅へお邪魔して、エアブラシで塗装をしてもらいました。 塗料は専用のものがあるわけではなく、ヘルメットごと持ち込んでなるべく近い色を調合してもらいました。 黒いゴム部品などにはマスキングテープでマスクして、シュ〜ッとムラ無く塗装。しばらく時間を置いて何度か重ね塗りして完了〜♪ あとは弾性接着剤SUPER-Xでヘルメットに固定します。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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現在愛用しているヘルメット(アライ製SZ-RAM3)の耳の部分はちょうど凹んで内装が無いエリアとなっています。 ちょうどココにスピーカーが嵌る大きさなので、ヘルメット側に特段の加工は不要でした。 スピーカーはヘルメットに接着剤で固定してしまうことにしましたが、そのままでは耳から距離が離れすぎている・・・・ そこでスペーサー代わりにダンボールを500円玉ぐらいの大きさに切り取り、ソレを数枚重ねたものをスピーカー後面に接着し奥行きを稼ぎ、それをヘルメットに固定しました。 同様に右側もスピーカーを取り付け、ステレオ仕様としました。 スピーカーからの配線は内装の外側を通し、ヘルメット左側からまとめて取り出すことにします。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヘルメットとバイク本体を結ぶケーブルは、ワンタッチで脱着が出来て、かつノイズにも強く、マイク2線とスピーカー4線を内包し、そして頻繁に脱着してコネクタが壊れても入手が容易であること。 これらの条件を勘定して、RJ-45コネクタが付いたLANケーブルを採用することにしました。 さっそくそれら配線を束ねる変換ケーブルを作成し、ヘルメットに接着! さらに、塗装が完了したマイクホルダーも、弾性接着剤を使用してヘルメットに接着! これで、ヘルメット側の準備が完了しました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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無線機は手持ちだけど全然使っていなかった、八重洲無線製FT-728。この時代のハンディー機としてはものすごいコンパクトなサイズで、しかもシート下にぴったり設置できるサイズなのです。 この場所であれば風雨からは完全に防御できるので、無線機自体に防水性能が無くても大丈夫ですが、その代わりに周波数を変える時にはシートを開けなければならない・・・・。 電源はバッテリー直接ではなく、キー連動の(たしか)ウインカー系統から分岐させ、ノイズフィルタを通しています。 無論電源ラインは『太く短く』の法則に従い、最初から付いている長い配線をバッサリと切り、ちょうど良い長さまで切り詰めて配線しています。 既に搭載してあったETC車載器の設置場所をちょっとズラすだけで設置場所を確保できました! | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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電波を空間に放出したり捕まえたりするアンテナ。無線通信をするためにはアンテナの設置が必要です。しかし、バイクにはそんなものを付ける場所なんて当然あるわけが無い・・・・ そこで、アンテナを取り付ける『アンテナ基台』を取り付けるステーを製作することにします。 よくナンバープレートと共締めするステーが販売されていますが、VFR750F(RC36)のナンバープレートはプラスチックの泥除けに取り付けられているため、ここにステーを取り付けても強度が不足すると考えられます。 幸い頑丈なパニアケースステーがあるので、ここに設置することにします。ただし、将来トップケースを取り付けることを考慮して、干渉しない位置まで自作ステーで延長することにします。 用意したのは4mm厚の金属ブラケット2枚とと6mmボルト。これでパニアケースステーをサンドウィッチにする形で固定してしまいます。 そしてブラケットの先に市販のアンテナ基台を取り付けます。私のバイクは保管時にバイクカバーをかけるため、アンテナが邪魔になることが容易に想定されるので、可倒式のアンテナ基台をチョイス! アンテナ基台は一般自動車用のルーフサイド型にして、ガッチリとステーを掴ませる形で固定しました。(が、トランク・ハッチバック型のほうがより良いと思いました。) 最後にM型コネクタ付き同軸ケーブルを取り付ければ完成です。ガッチリと設置することが出来ました♪
注:アンテナ基台はすぐに壊してしまい現在は他の型を使用しています! | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アンテナ基台とは、アンテナと車体とを固定接続する一種のステーです。単純なものであれば、角度も変更することが出来ないただの鉄板を折り曲げ加工しただけのものですが、色々と機能を持ったものもあります。 私の場合はバイク収納時にバイクカバーをかけるため、アンテナが直立した状態だとダメなので、倒すことが出来てなるべく小型のものにしました。 (左の画像にマウスを乗せると、アンテナを倒している状態が見れます。) 大きな蝶番みたいなのが付いていますが、これはネジであって、一時的に緩めることでアンテナの角度を色々調整することが出来ます。 初代のアンテナ基台は、このネジを強く締めすぎてナメてしまい、一度も走っていないのに壊しました! 二代目は『ネジをキツク締め付けない』をモットーに大事に使用して今に至ります。 ひとつ忠告。バイクの機動力・瞬発は自動車のそれとは大違い! 大きなアンテナを付けて低速タイトコーナーを走ると簡単に倒れてしまいます。 ネジロック剤を塗布することで収まりましたが、この点を考慮すると可倒式はなるべく避けたいものです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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PTTスイッチとは、Push To Talkの短縮語で『押すことで電波を発射するスイッチ』です。 電波を発射するためには膨大なエネルギー(バイクの場合はバッテリーからの電力ね。)が必要で、また同一周波数(一つの電波)で『誰か一人が電波を発射して発言』して、周りの人はそれを聞いているという仕組みであるため、自分が発言する瞬間だけ電波を発射、それ以外のときは発射を止めて受信状態とします。 その為に、バイクの走行中であろうが無かろうが、このスイッチだけは頻繁に操作するので、『操作しやすい場所』への設置を考える必要があります。 私の場合は、左ハンドルの自作ハザードスイッチのさらに下にパネル状のスイッチを設置して、左手親指を内側に開いて押し込むことで送信状態となるようにしました。 その結果ですが・・・・ (1) 押し込むストロークが小さくソフトな感じなため、グローブをした手では押し込んでいるのかいないのかよく判らない (2) 風を受けつづける設置形態であるため、2年ほどでパネルが飛んでいってしまった と散々な結果になりました。次世代PTTスイッチは別の機会に紹介します。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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前出のPTTスイッチでの使いにくさを改善しつつ、さらにスペースが無くて書いていなかったんだけど『雨が降るとスイッチがショートして送信しっぱなし』状態になってしまうのを改善するために、2代目PTTスイッチを製作しました。 VFR750F(RC36)の左ハンドルまわりって、意外と新たな固定スペースを見つけることが難しくて、場所は自作ハザードスイッチの下側に限定されてしまいます。 この制限を基に実装方法を考えていきます。 で、考えたのは、スイッチレバー部の出来るだけ長い物を選定し、自作ハザードスイッチ下に設置したパネルに固定するというもの。 パネルはそこそこ強度が必要で、しかも今後のこのバイクに乗りつづけるので風雨にさらされ続けるため、プラスチック製は却下! ステンレス製! or 錆びにくいアルミ製にしよう。 バイク用品店をブラついていたら、ちょうど良さそうな下穴の開いたキタコ製のアルミパネルを発見! スイッチの直径12mmまで穴を広げて、アルミパネルを自作ハサードスイッチの下に接着固定してしまいます。接着剤はもはや定番となった耐熱・耐震・防水性能を持つ『セメダイン製スーパーX』です。 ただしスイッチが防水仕様では無い(防水でレバーがココまで大きいのが見つけられなかった。)ので、さらに一工夫! 秋葉原に出かけて、別途スイッチ用の12mm防水キャップを入手。それを被せるとともに、スイッチ本体には薄〜く弾性接着剤を塗布しておきました。 防水性能を持つこの接着剤で幕を作ることにより、水の浸入を防ぐのです。 接着剤で固定だなんて・・・・大丈夫??? という声が聞こえてきそうですけど、(2010年2月現在)9ヶ月ほど使用していますが、ビクともしないですよ。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ホーンスイッチ #1219 エーモン製 2009.04.13 \787 キタコ製アルミステー#3(20-02型)60mm 2009.04.13 \504 防水キャップ 詳細不明 2009.08.30 \250 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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バイクに乗りながら無線をする・・・・ほぼ形になりました。初めから走行中に周波数を切り替えることは諦めていたのですが、音量は調節したい。それも自動で! 車のように部屋という空間があるわけではないので、信号などで停車しているときの騒音、街中を流しているときの騒音、高速道路等を高速度巡航しているときの騒音(エンジン音と風切り音)のレベルが大きく異なり、その時々で無線から聞こえる音量も調節したいのです。 そこで、バイクの配線を解析し、次のような考え方にしました。 (1)電子ボリュームチップPGA2310A による音量調節 外部からデジタル値で音量を指定することが出来るチップです。左右別々に設定でき今回の目的にピッタリ! ただしスピーカーのドライブに正負電源が必要な本格派! ちっと回路規模が大きくなってしまいます。 (2)バイクのフューエルカットリレーからパルス信号拝借 エンジン1気筒の点火パルスがそのままカットリレーに配線されていたので、レベル調整ののちに入力として使用します。 これで、エンジン回転数に比例した音量調節が可能となります。 (3)PICチップ PIC16F84Aによる パルス数->音量換算 パルス数をカウントし、必要な音量値を電子ボリュームチップに指示するのは、ワンチップマイコンの出番! 実際の回路図はコチラになります。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヘルメットに内蔵したヘッドセットと、車体側の無線システムの間は有線で接続します。すると当然車体とケーブルで結ぶのですが、乗車降車の度に接続したり取り外したりするので、車体側のコネクタはなるべく手の届く範囲に設置したい・・・・。 そこで、速度連動アンプ内蔵のコネクタボックスを、左ハンドル下に設置することにします。 下準備として、車体の後方に設置した無線機から、そして速度連動用にフューエルカットリレーからの信号を引っ張ります。 しか〜し、ケーブルルートをいくら検討しても、左の写真のようにエンジンのすぐ脇を通すしかない! エンジンとの間隔は1cm無いぐらい。 下手なケーブルを使うと熱で溶けてしまう可能性があります。 また、エンジンは強烈なノイズ発生源!これも考慮する必要があります。 そこで、秋葉原まで出かけてケーブルを探しまくり・・・・80℃耐熱2芯シールド線をチョイス。そして 1.無線機音声出力線 2.PTTスイッチ線 3.エンジン点火パルス線&電源線 の3系統を取り付けました。 真夏の炎天下を何度か経験しましたし、耐久テストとして北海道ツーリングとかにも連れて行きましたが、途中で溶けてしまうことなく稼動しつづけています。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヘルメット側の回路と、バイク側の回路の接続点。そしてバイク側の回路同士の集結場所として『接続ボックス』を製作します。 汎用のプラスチックケースをひっくり返した形で使用することにします。これは、とにもかくにも防水性能が求められるため、ケース全体で蓋のような形で水の侵入を防ぐことにします。 さらに、接続ボックス自体も気軽に取替えが出来るように、土台部と本体部を分離できる形で設置します。今回はまだ車速連動アンプを組み込んではいませんが、のちのち組み込んだ版と交換できるように考えておきます。 そして設置場所は、左ハンドル下のカウル。 走行中に操作するとなるとどうしてもココに機器を設置することになり、バイク純正のリザーブタンク切り替えコックもココに設置されています。以前にAC100Vインバーターの起動スイッチを取り付けてしまったため、まずはこれの移動加工から。 つづいて土台を弾性接着剤で接着設置。 最後に本体部をパチッと取り付ければ完成。 初代のスイッチボックスは、音量は手動で調節するためのツマミが付いてします。また、RJ45コネクタは外付けにしました。これは出来るだけ内部の空間を確保して、車速連動アンプ基板を収納するスペースを確保するためなのです。 いよいよこれで無線機、アンテナ、PTTスイッチ、マイク&スピーカーが一つになり、無線運用できる体勢が整いました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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車速連動アンプの完成を待たずして、初の実戦投入! 試験運用をしてみました。さてさて・・・・ 1.感度が良すぎるマイク! 信号停車時は使い物になりますが、走り出すと風の音だけを拾ってしまうし、私の声が相手にとにかく大声で伝わる・・・・どうやらマイクの出力レベルが大きすぎるようです。最近の無線機はある程度マイクの出力レベルに追従して、無線機側の入力レベルを調節する機能があるのですが、私の愛用機FT-728は古過ぎてそんな機能無し! 2.夕方の通り雨に当たりPTTスイッチ水没 → 勝手に送信 ツーリング中には避けられない雨! するとPTTスイッチ(初代)が水没し、スイッチが入りっぱなし・・・・ やはり防水対策が必須だな・・・・ ということでPTTスイッチ(2代目)を製作するという対策をしたのでした。 総評 マイク入力レベルの調整か・・・・と悩んでいたところ、ちょうど良い無線機が発売されたよ〜との情報が。その名も"FTM-10S"。マイク入力レベルの調整は無論、完全防水、小型操作パネルの分離設置可能、車速連動ボリューム、MP3プレーヤー接続可能、AM/FMラジオ受信機能、パッセンジャーとのインカム通信機能・・・・。 とにかく盛りだくさんで、全ての作業を止めてコレを購入してみることにしました。 ここには書いていませんが、車速連動アンプの製作過程で、プリント板現像を表裏間違えてしまい、ヤル気を無くしていた所だったのでちょうどイイ! 次回からこのコーナーはFTM-10S取り付け物語になります。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||