予防保守とは、『
壊れてから修理をするのではなく、
故障を予防するための作業』のことを指す言葉です。
同じバイクに長く乗るつもりならば、とても大切なことなのです。ぞれぞれの部品の耐用期間・耐用距離を管理して
限界になる前に交換してしまえば、
走行不能になるような致命的な故障は起きなくなるという考え方です。
車検のときに実施する大掛かりな保守作業とは別に、個人レベルで行う予防保守作業について書いてみました。
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消耗部品の中でも、目に見えないため交換時期の判定がもっとも難しいのがバッテリーです。
時間の経過と共にバッテリーは劣化していき、電気を貯めておける容量がどんどん少なくなっていきます。また、深い充放電を繰り返すことも劣化を早めます。
残りの容量がどのくらい残っているのかを各種症状で判断しなければならないのです。容量が少なくなってくると、長い時間をかけて充電をしても電気を蓄えることができなくなり、バッテリーの最大の役目であり最も電気を食う『エンジン始動のためのセルモーターを回す』ことが困難になってくる症状が見られてきます。
エンジンを回していれば発電機から電力が供給されますが、アイドリング時ではエンジンを回す最低限の『スパークユニット、スパークプラグ、燃料ポンプ』を動かす程度の電力しか生成されません。
長時間の渋滞にはまった時に、ヘッドライトを点灯し、ブレーキを踏んでいれば、バッテリーに貯めていた電力をどんどん使ってしまい、エンジン停止するとセルモーターを回せなくなる事態が訪れることもあります。灯火類が暗くなったら危ないでしょう。
そんな、セルモーターが回せない事態になる前に、バッテリーの交換をしてしまいましょう。
メーカー推奨の交換周期は2年毎となっています。
交換手順
| 1
| バッテリーを購入します。VFR750F(RC36)はメンテナンスフリー型なのです。
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| 2
| バッテリーを開封します。ココからの作業は有害なガスが発生する恐れがあるため、換気の良い屋外で実施しましょう。
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| 3
| 開梱すると、バッテリー本体と劇薬の希硫酸が付属しています。希硫酸は人体に付着するとやけどをするため、絶対に直接触ってはいけません。
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| 4
| バッテリーの希硫酸注入口のシールを剥がします。
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| 5
| 希硫酸ボトルを開梱し、ビニール袋から出します。
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| 6
| 希硫酸ボトルを密封している黒いプラスチックを外します。それを外すと銀紙のようなものが現れますが、コレはそのままにしておきます。
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| 7
| 希硫酸ボトルをバッテリーの希硫酸注入口にグサッと突き刺します。すると手に触れることなくバッテリー内に注入されていきます。ただし時々目視して、6セル全てにきちんと注入されているか確認し、注入が止まっていたらコンコンと容器をたたいて注入再開させる必要があります。
そして、注入完了後にこのまま20分程放置します。
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| 8
| 希硫酸ボトルを取り外し、6項で取り外した黒いプラスチックをバッテリーの希硫酸注入口に詰め込みます。
以後、どんなことがあってもこのカバーを取り外してはいけません。これで密閉してしまうのです。
後は、バイクに付いている現行のバッテリーを外して、新しいものに取り替えるだけです。
最後に、取り外したバッテリーをバイク販売店に持っていき、処分してもらいましょう。
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2009.08.23交換 \20,832
2006.01.15交換 \12,264
2002.04.13交換 \9,429
1995.09.02交換 \12,000
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バイクを維持していく上でどうしても必要となるオイル交換作業は、自分で実施するようにしています。自分の好きな銘柄のオイルを入れることができるし、自分が納得するまで時間をかけることもできます。(でも小一時間ですけどね。)
ここでは、私が実施している手順をご紹介してみますね。ただしこの手順が最適解かどうかの判断は私はできません。あくまで私の手順として参考程度にどうぞ。
交換手順
| 1
| まずは平地にバイクを止めて、センタースタンドをかけます。普段は重くてたまらないVFR750F(RC36)も、メンテナンスの時は便利だったりします。
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| 2
| エンジンを暖気運転して、エンジンオイルを暖めます。 3分ぐらいでも十分に柔らかくなりますし、火傷もしないぐらいなのでちょうど良いですよ。
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| 3
| 暖気しながらすばやくカウルを外していきます。まずは左右のサイドカウルを外します。
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| 4
| つづいて、アンダーカウルを外します。 ちなみに、VFR750F(RC36)はカウルの内側にゴム製のシートみたいなのが設けられていて、おそらくエンジンの熱気を足元から集中排出させるのに一役買っています。
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| 5
| エンジンオイル交換に必要な機材を準備します。
まずはオイル、そしてオイル処理箱、オイルフィルター、フィルターレンチ、オイル添加剤、オイルジョッキ、そして写真には写っていませんけど#17メガネレンチです。
私はオイル交換時に毎回フィルターも交換します。せいぜい1000円強ですからね。
そして時々オイル添加剤のマイクロロンを追加投入します。
エンジンオイルの4リッター缶が2つ写っているのは、前回の余りのオイルです。
なぜ余るのかは最後まで読むとわかります。
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| 6
| エンジンオイルを抜くドレンボルトは、エンジンの右側下部にあります。
ようやくドレンボルトへのアクセスができる状態になったので、エンジンを止めます。
この時点でエンジンからの排気管はかなりの高熱になっているので火傷には注意です。
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| 7
| エンジンの下側、ちょうどドレンボルトの下に、オイル処理箱を置きます。
オイル処理箱は少し大きめのものが具合が良いと思います。
私の場合はオイル4リッターを処理するのに6リッター用を使用しています。
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| 8
| いよいよドレンボルトにメガネレンチをセットして、力をこめます。回す方向さえ間違わなければすんなり開きます。
マメに脱着を繰り返しているネジですから、固着はありえません。
この時、オイル注入口を開けておき、空気が流動できるようにしておきます。
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| 9
| ドレンポルトを外すとどす黒い、使用済みのオイルが出てきます。
物凄い汚さですね…
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| 本来ならじっくりとオイルを抜きたいのでじっくりと時間をかけたいところでしょうが、私の場合はサッサとドレンボルトを閉めてしまいます。
ここはいい加減な抜き方でも良いのです。
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| さて、ここで前回交換したときに余っているエンジンオイル約1リットルを用意します。
エンジンオイルは開封すると酸化してしまう為、約半年前のオイルを使うのは良いとはいえないのです。
そこで、フラッシングオイル代わりに使用するのです。
とはいえ、9項の汚いオイル、コーヒー色が元々はこんなジンジャーエール色なんですよ。
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| 半年前の余ったオイルを全て注ぎ込みます。
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| そして、ここでエンジンを始動します。もちろんオイルは規定量より遥かに少ないので、エンジンを吹かしたりせずにアイドリングのまま30秒〜1分程度待ちます。エンジンが回ると連動してオイルポンプも回るので、今入れたばかりの残オイルを吸い取りエンジン各部に供給され、配管途中に残っている汚いオイルを押し出してくれます。
エンジンオイル警告灯も消灯しているので、静止状態なら何とかなっているのかもしれません。
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| さて、ここで再度ドレンボルトを外します。
どうですこのオイルの色! 今さっき入れたジンジャーエールが1分でコーヒー色です。
これだけエンジンの中には旧オイルが残っていたのです。
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| 今度は念入りにオイルを抜きます。
出が悪くなってきたら車体を左右に傾けたり、キルスイッチを扱ったままセルモーター数秒回して、エンジン上部のオイルも下に落とします。
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| ドレンを開けておくとしばらくオイルが落ち続けているので、その時間を利用してオイルフィルターの交換に着手します。
フィルターレンチに#17メガネレンチをセットします。
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| フィルターレンチをセットして軽く回せば外れます。(て言うか、オイルフィルターは強く締め付けてはいけないので、逆にいえば簡単に外れます。)
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| あれだけ念入りに汚いオイルを押し出したつもりでも、フィルターブロック付近には汚いオイルが残っています。
ダラダラと垂れますので、オイル処理箱の設置場所をうまく工夫してドレンボルトとフィルターの双方の下に掛かるように置いておきましょう。
また、VFR750F(RC36)の場合はオイルフィルターの真下にエンジンからの排気管があり、そこがオイルでドロドロになります。
気になる人は養生しておいたほうが良いでしょう。
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| これで古いオイルは抜き終わりなので、オイル処理箱を撤収〜♪
あら、写真の挿入場所を間違えた… まだドレンボルト閉めていなかった!本当はもう少し後の工程で撤収なのでした。
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| こちらは新しいオイルフィルターです。
でも、このままでは使えないのです。
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| エンジンオイルの中に指を突っ込みます。汚れます。ドロドロです。でも仕方がありません。
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| オイルフィルターの回りのゴムの部分にオイルを薄く塗布します。
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| 新しいオイルフィルターを締め付けます。
必ず『手』で行う必要があります。
工具を使ってはいけません。
エンジン側の金属が柔らかいので、工具を使うと力がかかりすぎて簡単にネジをなめてしまいます!!。
もしなめた場合はオイルパンの全交換が必要となってしまいます。
手で締め付けて手応えを感じたら、工具を使って90度〜半回転ほど締め付けるだけで十分です。
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| このころになるとエンジンオイルも落ちてこなくなっているので、ドレンボルトを締め付けます。
ドレンボルトに付いているワッシャは本当は毎回交換しなければならないのですが、私はたまに交換する程度です。
このワッシャが潰れる事で水密構造となる仕組みだから、一度つぶれてしまったワッシャでは役不足なのです。
その後に、規定量のオイルを注入します。
RC36の場合は、オイルフィルター交換時には3.1リットルが規定量となっています。ただし、多く入れすぎた場合には取り返しがつかなくなるので、若干少なめの2.9ぐらいを初回に投入します。
エンジンを1分ほど回して、各部からオイルの流出が無いことを確認します。その後エンジンを止めて1分ほど待ちます。
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| エンジンオイルの量が問題ないのかを確認します。
VFR750F(RC36)のエンジンは、スティックゲージを使用してオイルの量を測ります。
おそらく少ない結果を示すので、オイルを継ぎ足して、エンジンを回す・1分待つ・量を測るを繰り返します。
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| ドンピシャ量です。スティック先端の下限ラインとその上の上限ラインのちょうど真中までがオイルで湿っています。
あとはカウルを元通りに組み付ければ全工程が終了です。
ねっ、4リットル缶のオイルを3.1リットル使ったので少し残りますね。コレを次回に持ち越すのです。
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チェーン駆動のバイクの場合は、ある程度の距離を走行するごとにチェーンの張り具合の調整がどうしても必要になります。
チェーンに力がかかり続け回転を続けていると、チェーンのコマとコマを繋ぐピン穴が徐々に磨耗して広がることにより、チェーンの輪っか全体の長さが長くなってしまいます。
そのまま放置しておくと最悪はチェーンが外れてしまい、さらにはリアタイヤに絡み付いてロック!→転倒!→大怪我!と決して馬鹿には出来ない調整個所なんです。
VFR750F(RC36)の場合は片持ち式サスペンション『プロアーム』のため、作業はとても簡単なのです。
交換手順
| 1
| バイクを水平なところで、センタースタンドをかけます。
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| 2
| 純正車載工具の中から『ピンスパナ』と『レンチグリップ』を取り出します。
別途、#17メガネレンチを用意します。
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| 3
| ピンスパナにレンチグリップを差し込んで延長します。
レンチグリップは微妙に角度がついており、実際に使用するときにリアホイールにぶつからないようになっています。
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| 4
| #17メガネレンチを使用して、ベアリングホルダ割り締めボルトを緩めます。多少緩めるだけでOKです。
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| 5
| 延長済みののピンスパナを、チェーンのすぐ右横にあてがいます。
ピンスパナは半円状の内側にいくつか突起があります。
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| 6
| ベアリングホルダ側には、ピンスパナを受けるように凹みが付いていて、軽く円周方向にピンスパナをずらすとスポッと嵌る場所がありますので、その場所を探ります。
すると、ベアリングホルダ自体を回転させることが出来るようになります。
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| 7
| ベアリングホルダを回転させると、ドライブスプロケットの位置が前後に動くため、チェーンにかかるテンションが変わります。
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| 8
| チェーンの中心部の振幅が15mm〜25mmになるようにテンションを調整します。ちなみにプロアームの場合は、左右のブレの調整は必要ありません。
調整が終わったら、割り締めボルトを締めれば完了です。
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ブレーキパッドをディスクに押し付けるブレーキ油圧装置の一部である『ブレーキキャリパー』は、時間と共に汚れに埋まっていきます。
ブレーキパッド自体が汚れ発生源であり、しかも可動部品の塊であるブレーキキャリパーにそれがこびり付くと動作が渋くなってきて、酷い場合にはブレーキを引きずる(ブレーキが効いた状態のままになってしまい、完全には緩まなくなること。)現象が発生します。
オイルシールの劣化等の要因もありますが、ここではブレーキフルードを抜かずに清掃をする手順を御紹介してみます。清掃をすると、ブレーキレバーのタッチが物凄く変化し、シャープにブレーキが効くようになります。
ただしこの手順が最適解かどうかの判断は私はできません。あくまで私の手順として参考程度にどうぞ。
交換手順
| 1
| VFR750F(RC36)のブレーキキャリパーは、フロント側が左右で2セット、リア側が1セット、全て同一型のキャリパーが設置されています。清掃中はブレーキを使用できないので、水平な場所に停車させます。
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| 2
| パッドピンを止めているロックネジを、マイナスドライバーで外します。 このネジは固着しやすく舐め易いので、注意深く外します。
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| 3
| ロックネジを外すと、六角キャップボルト型のパッドピンが現れます。
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| 4
| ヘキサゴンレンチを使用して、パッドピンを外します。 このネジも固着しやすいため、小さい工具だと取り外しに難儀すると思います。
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| 5
| パッドピンが外れると、ブレーキパッドが外れるようになります。 交換、もしくはブレーキクリーナーで清掃します。取り付けるときは裏面にパッドグリスを薄く塗布します。
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| 6
| ブレーキキャリパーを止めてあるネジ2個所を外します。
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| ブレーキキャリパがフリーになりますが、ブレーキホースでキャリパーをぶら下げないように注意します。 私は長〜いT型ヘキサゴンレンチを使用して、串刺しにしておきます。
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| 8
| ブレーキキャリパー取り付けステーとキャリパー本体は、固定されておらず軸に刺さっているだけです。コレを引っこ抜きます。
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| ブレーキキャリパーと、ブレーキピストンを歯ブラシと洗剤を使って磨きます。かなり頑固な汚れなので、歯ブラシはあっという間にダメになります。 でも固い金属ブラシは厳禁です。
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| 10
| 軽くブレーキレバーを握るとピストンが出てきます。すると汚れも出てくるのでさらに磨きます。 全てのピストンがスムーズに動くとは限りません。その場合は木片でも挟んでスムーズに動くピストンの動きを殺して、不良ピストンをせり出させます。
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| さらにキャリパーピストン脱着ツールを使用してピストンを回転させると、裏面にも汚れがびっしり。綺麗に磨きます。
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| せっかく清掃したのであれば、組み付け前にグリスアップしましょう。 シリコングリースと、パッドグリス、スレッドコンパウンドなどを用意します。
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| ブレーキピストンの周りに薄くシリコングリースを塗布し、その後ピストンを押し戻します。指で押し戻しますが固い場合はキャリパーセパレーターなどの専用工具を使用、もしくはウォーターポンププライヤーを使用して押し戻します。 (ただしダイレクトに使用すると傷が付くので、写真14のように軍手などで包みましょう。)
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| 押し込んだピストンを再度出し、グリースを塗って押し戻すことを数回実施すると、そのうちピストンがスムーズに動くようになります。 最後にもう一度ピストンを出し、グリースを綺麗にふき取ってから押し込みます。
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後は、取り外したのと逆の手順で組み立てていくだけですが、次の個所をグリスアップします。
また、新品のブレーキパッドを使用すれば、ブレーキパッドの交換も同時に出来てしまいます。
一仕事終えると手がドロドロになりますが、バイクは非常に元気になりますよ。
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ブレーキキャリパーも、ノーメンテナンスで乗りつづけていると徐々に動きが渋くなってきます。
そのうち、ブレーキがかかったまま元に戻らない(=ブレーキを引きずっている。)現象等が発生します。そこで、ブレーキフルードを抜くことなくピストンの清掃をしても状況が改善しないときは、分解して、清掃してあげる必要があります。
そして、ブレーキの性能に影響を与える『ダストシール・オイルシール』を新品に交換してあげるのです。ゴムで出来ている部品であるため、どうしても時間の経過と共に劣化してしまうのです。
ここでは、私が実施している手順をご紹介してみますね。ただしこの手順が最適解かどうかの判断は私はできません。あくまで私の手順として参考程度にどうぞ。
さて、手順ですが、ブレーキパッドを外しておくところまでは『ブレーキキャリパーの清掃 (ブレーキパッドの交換)』と同様です。
交換手順
| 1
| ブレーキ系統のブレーキフルードを可能な限り抜いておきたいので、まずはリザーブタンクの蓋を開けます。 どうでも良いけど、ネジが錆び錆び!
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| 2
| エア抜き用の注射器を利用して、リザーブタンク内のブレーキフルードを抜き取っておきます。
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| 3
| ブレーキキャリパーとブレーキホースを繋いでいるオイルボルトを緩め、キャリパーとホースを分離します。このとき、ブレーキホース内に残っているブレーキフルードが漏れてくるので要注意です。
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| 4
| 分離したあとのブレーキホースからはブレーキフルードがポタポタと漏れてくるので、ペットボトルの中にでも格納しておきます。 ちなみに、ブレーキフルードは塗装を犯すため、絶対に周囲に垂らさないようにします。万一垂らした場合は、大量の水で洗い流します。
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| 5
| ブレーキキャリパーが分離できました。
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| 6
| 内側はブレーキダストで真っ黒。ピストンも真っ黒! でも清掃する前にさらに分解します。
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| 7
| キャリパーピストン脱着ツールを使用して、ピストンを引き抜きます。(重症のキャリパーは、この引き抜き工程が辛い。プロは空気圧を使用しますが、私はツールを使用して人力で引き抜きます。) ぐわ〜、それにしてもピストン真っ黒です。
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| 8
| キャリパー側ピストン摺動面内側にある、ゴム製のダストブーツとオイルシールを取り外します。新品に交換してしまうので、鉤状のツールで引っ掛けて取り外します。
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| 9
| 完全に分解が完了したので、綺麗に洗います。とにかく汚れが頑固にこびり付いているので、ちょっとやそっとの水洗いでは落ちてくれません。ブラシでゴシゴシ傷を付けないように洗います。
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| 10
| さらに、爪楊枝等を駆使して、ダストシール・オイルシールが収まる溝の中も丁寧に掃除します。この溝はキッチリ清掃しておかないと、新品を組みつけても性能が出ないばかりか、ブレーキフルードが漏れる原因にもなりえます。 清掃時には、ピストン摺動面にキズをつけないように注意します。
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| 11
| ピストン本体にもブレーキダストがこびり付いているので、しっかりと磨いてあげます。
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| 12
| ピストン摺動面に、こびり付いているブレーキダストや、キズや錆びが無いかチェックします。目の細かい紙やすりで修正することも可能ですし、新品に交換してしまうのも手です。 どちらにせよコレを見逃すと組み付け後のブレーキフルード漏れが発生したり、性能が低下する恐れがあります。
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| 13
| 私の場合は、ダストシール、オイルシール、ピストン一式を新品に交換してしまう作戦を取ります。
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| 14
| 組み付ける前に、ダストシール、オイルシールにブレーキフルードを塗布してから、指で丁寧にセットします。 ねじれとかを生じさせないように、丁寧に!です。
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| 15
| ピストンには、シリコングリースを薄く塗布したあと、キャリパーに軽く押し込みます。直角に押し込めば『スポッ』とハマります。
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| 16
| キャリパーにブレーキパッドを組み付け、バイクに元通りに組み付けます。オイルボルトは中空なので強度的に弱く、強いトルクを掛けてしまうと割れてしまいます。必ず指定トルクで締め付けるようにします。
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| 17
| さて、ここからはブレーキ系統のエア抜き工程となります。 現時点ではブレーキ系統にはブレーキフルードが無く、代わりに空気で満たされていますが、最終的に空気を全て追い出してブレーキフルードで満たす必要があります。 VFR750F(RC36)では、DOT4を使用するように指定されていますので、同クラスのブレーキフルードを用意します。
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| 18
| まずは、ブレーキフルードをリザーバタンクに投入します。この先の作業をしていくと、ここからブレーキフルードがどんどん抜けていきます。 しかしその都度ブレーキフルードを継ぎ足して『絶対にカラ』にしてはいけません。カラにしてしまったら、それは空気が混入したことになるので、作業がやり直しになります。
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| 19
| キャリパーのパンジョーボルトにビニールホースと、負圧発生用の注射器を接続し、注射器のピストンを引き負圧を発生させます。
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| 20
| パンジョーボルトはブレーキホース内の油圧配管との弁の役割をしています。メガネレンチで数回転させると弁が開き、予め与えていた負圧がブレーキホース内にかかります。 リザーバタンクからはブレーキフルードが吸い取られてブレーキホース内は徐々に満たされていきます。 注射器を外すときはパンジョーボルト(弁)を閉めてから。あとはひたすら繰り返して負圧を掛けつづけます。
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| 21
| そのうち、ブレーキフルードそのものがビニールチューブに吸い上げられるようになってきます。最初のうちは大きな気泡と共にブレーキフルードが吸い上げられてきますが、すぐに気泡が小さくなります。 ここからは負圧ではなく、ブレーキレバー/ペダルを操作してブレーキ系統を加圧する方式にスイッチします。 『加圧する --> パンジョーを緩める --> 気泡が出てくる --> パンジョーを締める』を1セットとして、コレをひたすら繰り返します。 ブレーキレバー/ペダルを操作した際にフワフワしていたのですが、だんだん手応えが出てきます。キャリパーをたたいたり、一晩置いておくと気泡の位置が変わり抜けやすくなります。
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| 22
| 空気が完全に抜ければ作業終了です。必ずブレーキテストをしてから、さらに試乗を繰り返しブレーキ系統に異常が無いことを確認してください。コレを怠ると、最悪は死にます。
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ここまで苦労して実施するブレーキキャリパーオーバーホール。でもブレーキのタッチがシャープになり、指先でキャリパーの動きがはっきりと感じ取れるようになります。全くの別物!に生まれ変わりますよ。
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バイクのタイヤの空気って結構抜けます・・・・。
もともとマメに調整する派ではなかった(自宅で空気入れは面倒だし、セルフ式が無い時代ではガソリンスタンドにいちいち依頼するのも恐縮だし・・・)のですが、セルフ式スタンドの場合だと、誰にも迷惑をかけずに、かつ楽チンに空気圧調整ができるので愛用しているのです。
注入手順
| 1
| まずは、セルフ式ガソリンスタンドに行きます。最近は田舎でもセルフ式が増えてきたので、探索に困ることはなくなりました。
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| 2
| 色々なタイプの空気入れがありますが、私が愛用しているスタンドの空気入れはこのタイプです。(これ以外の型も徐々に追記していきます。) 空気圧メーターは『目的の空気圧』を示していて、右横のダイヤルを回すことで指針を自由に調整することが出来ます。
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| 3
| 愛車VFR750F(RC36)のリアタイヤは、2.8kg/cm2なので、指針を2.8にセットします。
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| 4
| あとは、空気注入棒をタイヤ側に差し込めば、自動的に指定空気圧まで空気が入っていきます。空気を注入しているときは『チ〜ン』とベルの音が鳴りつづけるので、音がしなくなったら注入完了となります。
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| 5
| ところが、バイクのタイヤって、ホイールキャストやらブレーキディスクが邪魔で、もともと大型トラックの奥まったタイヤに空気注入する用途にも使用する空気入れでは、バイクに使用することが出来ません!
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| 6
| そこで、常に持ち歩いている『エクステンションエアーバルブ』を使用して、エアーバルブの角度を90度曲げます。これならば空気注入棒を押し付けるだけで空気が入ります。
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〜2009.07.11追記〜
上に示した『固定設置アナログ型』以外にも、いくつかのタイプがあって、しかもそれぞれ微妙に使い勝手が違うんです・・・・。
まずは、可般タンク型。
加圧された空気タンクを持ち歩き、この空気をタイヤに移し変える方式です。
初めに空気注入棒をタイヤのバルブに押し付けます。すると指針は現在の空気圧を指し示すので、『+』『−』のボタンを押下して、目的の空気圧となるように調整すれば完了。
続いて、デジタル型。これは、上記の固定設置アナログ型の後継みたいで、デジタル値で目的の圧力が表示されているため、『+』『−』ボタンを押下して、目的の空気圧をセットします。
その後、空気注入棒をタイヤのバルブに押し付ければ、自動的に空気圧が調整されます。
しばらく放っておくと、設定値は自動的に『200kPa』に戻ってしまいます。
古いバイクの場合は単位の読み替え(kPa→kg/cm2)が必要です。新しい単位での指定空気圧も調べておきましょう。
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