スカイツーリング北海道
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 北海道ツーリングに行く際に問題になるのが上陸手段。普通はフェリーになるでしょう。 あとはどの港から乗るのかや料金や時間、行程などを考慮して決めます。
 が、社会人で長期の休みが取れない場合、飛行機で上陸する方法もあります。全日空が実施しているその名も『スカイツーリング』。バイクも人間と同じ便の貨物として同行するので、 空港着陸後にその空港から走り出せます。
 私も、過去に1995年、1997年の2回利用しました。結構知らない人がいるので紹介してみますね。(ただし、1997年当時の内容ですので現時点では変わっている可能性もあります。)
まずはパンフレットを入手する2004.05.30作成
95年,96年,97年のパンフレット  最初にパンフットを入手しましょう。 ただし、かなり用途が特殊らしく、大きな旅行代理店でないと見つからないと思います。私は近くの代理店にお願いして入手してもらいました。最近はバイク用品屋などに置いてあることもありますね。

 パンフレットの中には、システムや、気になる『料金』、その他の制限事項などの概略が記載されています。
 バイクの輸送費はだいたい人間一人分です。よって、往復人間2人と考えればOKですね。

基本ルール
1・本州の指定空港から、北海道・九州の空港へバイクとともに往復飛行機を利用します。行きと帰りの空港は別々にすることも可です。
2・行程の最大期間は14日で、そのうち最低1泊だけANAが指定する宿(たくさんある。)に宿泊しなければなりません。それ以外はキャンプしようが何をしようが自由です。
3・バイクはパレットに載せて飛行機に積み込みます。このためバイクのサイズに制限があります
4・飛行機の便は全日空が提示している便(だいたい昼間の空いている時間帯)の中から選びます。最終便など混み合う便は選べないです。
1997年のパンフレット−表紙
1997年版の表紙
1997年のパンフレット−基本ルール編
基本ルール
1997年のパンフレット−北海道の宿と料金
北海道の宿
バイクのサイズは制限値以内か?2004.05.30作成
バイクの大きさ制限値  スカイツーリングを利用するには、バイクの大きさがサイズ制限値以内にあることが大前提になります。

 車検証に乗っているのはあくまでバイク本体のサイズですが、必要なのはバイク全体の大きさです。 バックミラーなどは一度計ったほうが良いでしょう。
 私が利用したVFR750F(RC36)は、車検証によるとW0.71m,D2.18m,H1.175mですが、実測値ではW0.76mでした。最悪はバックミラーを外して積み込むつもりでした。

 頭の中でいろいろとプランを考える前に、これを確認しておかないと水の泡になってしまうかもしれません。
 特に幅が引っかかる可能性が高いです。私のはV型エンジンのため幅がスリムで750ccでも積めたのですが、 大型だときついと思います。

 実際に積み込むときは、大きなパレットの上にバイクを自走して載せます。その後フェリーなどでも使用しているロープを使ってガッチリと固定することになります。新車でキズが一つも無いバイクだとちょっと気になるかもしれません。
(まぁ、バイクは乗っていれば小石などでキズがついてあたりまえの乗り物だから時間がたつと気にならなくなるんですけどね。
行程を決める2004.05.31作成
便リスト  バイクが積める事が確認できたら、次は行程を決めます。

 北海道に上陸する日と目的空港、便を決めます。各便はだいたい2〜3パレットぐらいはバイク枠があるみたいですが、予約が埋まっているかどうかはこの時点では不明です。あくまで予定ですしね。
 次に、帰ってくる日と出発空港、便を決めます。

 これが決まればあとは北海道内のツーリング計画をすると、おのずと『1泊は指定宿泊所』ルールの場所が決まってくると思います。

 私は2回とも料金が安い『羽田−千歳』を往復とも利用しました。ホテルはどうせ料金がいっしょならばと思い、なんと『稚内全日空ホテル』に泊りました。周りの人は上流階級でみんなネクタイをしているのに、私だけ雨でドロドロになった格好をしていてちょっと恥ずかしかったです。ベルボーイまでいて、荷物を持ってくれたり部屋まで案内してくれたり、普段のビジネスホテルとは大違いです。

 下は、料金表です。人間一人が片道3万円ぐらいですから、重いバイクを運んでくれると思えばそんなに無茶な数字ではないと思いますが、社会人で無いとつらいかもしれません。

 ちなみに、スカイツーリング利用時以外は東京から東北道を北上して、青森からフェリーで函館に上陸するルートを使用していますが、その場合の概算費用(片道)は、
高速道(東北道岩槻ic-青森ic) \10,950
給油4回(\1200/回) \4,800
フェリー(青森-函館) \4,150
食事・軽食・ジュース等 \2,000
合計 (16時間) \21,900
となります。時間をお金で買う感覚ですね。
スカイツーリング北海道の料金表

旅行代理店で申し込み2004.05.31作成
契約完了の切符たち  行程が決まって、お金の踏ん切りもついたら、いよいよ申し込みです。さっそく旅行代理店に向かいます。

予約
 パンフレットを見せながら『スカイツーリング』に申し込みたい旨を伝えると、 分厚いツアー説明書の中から手早くスカイツーリングの資料を見つけてくれました。
 この時点で行程を伝え、航空機の指定の便に貨物の空きがあるかホテルの空きがあるかが参照され、 予約となります。この時点で目的の便がいっぱいだと、前後の便、最悪は日付をずらされければなりませんので、早めに予約しに行ったほうが良いでしょう。(まぁ私が使っていた頃は、他に使う人を見かけませんでしたが...)
 念のため車検証も持っていったのですが、活躍する場面はありませんでした。口頭で申告すればOKでした。

 さて、めでたく予約が成立すると、2日後以降にお金を払いに来て欲しいとのこと。それまでに全日空から必要な書類等が届けられるそうです。

契約成立
 お金を払いにいくと、切符がたくさんもらえます。
行程案内書 当日の具体的な行動の詳細が解説されています。
航空券2枚 人間が飛行機に乗るときに使用します。(写真では使用済みなので半券です。)
バイク輸送券2枚 (写真には写っていません。)
バイクを貨物カウンターに預けるときにいっしょに渡す券です。
旅行会員券 上陸後のホテルに泊るときに使用します。

 あとは当日までワクワク待ちましょう。
当日の行動−羽田空港2004.05.31作成
羽田空港

損傷箇所確認書

請求明細書
 さて、当日になりました。この日の行動は忙しいです。


〜2005.02.01追補〜 UPDATE
2004.12.01に羽田空港第二ターミナルが開港して、この辺りの状況が一変しています。ココに記述されている内容はあくまでも1997年のものです。ご注意ください。


空港に向かう
 まずは飛行機の出発時刻の3時間ぐらい前までに空港に着くようにします。
 首都高速を抜けなければならないのですが、途中で止まれないため、乗車前に地図とにらめっらしてすべてを記憶します。

ガソリンスタンド
 空港周辺に着いたら、第一目標は第一駐車場横のガソリンスタンドです。辺りにガソリンスタンドは1つしかないのですぐにわかります。
 ここで、スカイツーリング利用者であることを告げると旅行会員券を提示した後、バイクを脇に移動するように指示されます。ここでガソリンタンクからガソリンを抜き取ります。(向こうがやってくれるので手は汚れません。)
 飛行機に積むときは危険物を積めないからだそうで、予備タンクも含めてほぼ空にされます。

バイクで制限区域に進入する
 ガソリンが無いバイクで貨物カウンターを目指します。寄り道をしたり道に迷うとすぐにガス欠を起こして押して歩く羽目になるので一直線です。
 実は、初めて利用するときは一日前に各施設の位置関係を下見に行ったほどです。基本的に空港関係者向けの施設なので案内はあまり出ていません
 制限区域(警察官ですら許可が無いと入れないエリア)のゲートで住所氏名車番を記入して中に入ります。警備員の人もわかっているので簡単に通してくれます。

貨物カウンター
 制限区域に入ると全日空のカウンターはすぐにわかります。ここで、バイク輸送券を提示して、バイク積載の手続きを行います。
 ここで、自宅出発時にせっかくパッキングした荷物をすべて降ろす必要があります。バイク単体しか預かってくれません。
 また、バッテリーのターミナルを自分で外す必要があります。(面倒くさい!)

 ここで、パレットに積み込む前にバイクのキズの有無を係官と一緒に確認し、書類にサインします。この時点から到着空港までは全日空側の荷物扱いになります。

 ここで、請求書や請求明細書を渡されます。着払いと書かれていて『えっ?』と思いますが、 これはツアーの中に含まれているので別途支払は発生しません。

旅客カウンター
 ここが最悪です。バラした荷物、ヘルメットタンクバッグや小物を持って、近くのバス停(200mくらい)まで歩きます。夏の炎天下なので汗だくになります。雨に降られようものならさらに傘を持たなければならず最悪に拍車がかかります。人影の無いバス停で1時間に2〜3本のバスを待ちます。
 大きな荷物に苦労しながらバスに乗り、しかもたしか\200円ぐらい取られます。旅客ターミナルへ移動したら、ここからは通常の旅行者と一緒です。
 まずはカウンターに行き、搭乗手続きと荷物を預かってもらいます。ヘルメットタンクバッグは自分で機内に持っていきますがこれが恥ずかしい。まわりからは『何者だ?』という目で見られます。
 手荷物検査場を通り、出発ゲート前で待ち、出発時間20分前くらいから搭乗が始まります。

飛行機内
 飛行機に乗ったら、すぐに窓から外を見ましょう。地上係員が貨物を積み込んでいますが、運が良いと自分のバイクも見つかります。
 パレット積みのバイクのため目立ちますが、雨の日はどうなるのですかね?

 これでバイクと同じ便で北海道にひとっ飛びです。1時間30分で新千歳空港です。乗ってしまえば速い!ですね。
当日の行動−新千歳空港2004.05.31作成
新千歳空港の施設配置図  飛行機を降りても、しばらくは面倒が続きます。

手荷物の受け取り
 飛行機を降りると、まずは羽田で預けた荷物を受け取ります。ここからはまた、ヘルメット、荷物、タンクバッグ等を手に持って移動しなければなりません。
 つぎに、到着ロビーの全日空カウンターで旅行会員券を提示して、バスの切符を受け取ります。

貨物カウンターへ移動
 またしてもバスで移動します。しかも有名地への移動ではないため、案内も不親切です。 たしか一番端のバス停から『空港内循環バス』に乗ります。
 そして、2つか3つ目のバス停『エアカーゴ前』で下車します。このバス停がまたひどく、歩道の植木の中に申し訳なさそうにバス停があり、植木を踏み潰して歩道に降り立ちます。利用者は皆無のようです。
 そしてそこから歩くこと10分。広大な北海道ではすぐそこなのに歩くと大変です。ただし、指定のガソリンスタンドから貨物ターミナルへは一本道のため、そのガソリンスタンドに荷物を置かせてもらいましょう。これで少しは楽になります。

バイクの受け取り
 ちょうどパレットからバイクを下ろしているか、あるいはおろし終わってカウンターの前に置いてある時期かもしれません。
 ここで、もう一度全日空の係官と一緒にバイクのキズの確認をして、問題がければ書類にサインしてバイクを受け取ります。
 また車載工具を取り出してバッテリーターミナルをつなぐ作業をします。

給油
 先ほど荷物を預けたガソリンスタンドに向かいますが、私は発進直後にここでガス欠になりました。平地なので我慢してバイクを押していき、ガソリンを給油します。さらに、荷物のパッキングを行い、それが終わるとようやく北海道の大地を走れるようになります。
 ナンダカンダで疲れます。



帰りのとき
 帰りは、今までの行動の羽田と新千歳をひっくり返すだけです。
 ちなみに、羽田空港の貨物カウンターからガソリンスタンドは距離があり、 途中に信号もあり、かつアップダウンもあるので、ガス欠は悲惨です。 (というか、自分も経験しましたが、上り坂を押し上げるのは相当きついです。)


まとめ2004.05.31作成
 結局のところ、過去2回だけスカイツーリングを使用しましたが、今は自走+フェリーを使用しています。それはやはり使いずらいと判断しているからです。
 私が『いやだと判断した点』と、『改善できればなぁ』という点を上げさせてもらうことで、まとめとしたいと思います。

荷物の扱い
 フェリーの場合は、荷物をパッキングしたまま船に固定して、必要なものだけを持っていくということが出来ます。これはかなり楽です。
 が、スカイツーリングの場合はバイクしか預かってくれません。 パレットにバイクを固定して、振動が激しい飛行機に積み込むので、問題点がかなりあることは私にも素人ながらわかります。
   『固定が甘い場合、飛行中にばらけてしまう。』や、
   『地上運送中にばらけてしまい、荷物を紛失してしまう。』。もしくは
   『バイクだけでギリギリの外形寸法が手荷物を含めると確実にオーバーする。』等でしょう。
でもそこは『貨物』カウンターですよ。宅急便のお兄さんが次々と荷物を送りに小荷物を持ってカウンターに来ています。つまり、荷物自体を受け取ったり渡したりする設備はあるのです。バイクからばらす必要があっても、その場所で預かるべきでしょう。

 貨物カウンターと旅客カウンターが遠いので、利用者はこの間を荷物を持って移動する必要があります。 この苦労が解ってもらいたいですね。
 私がスカイツーリングを避けるようになった主因はコレです。とにかくつらいです。

 ひょっとすると、羽田や新千歳などの大空港ではなく、地方空港をチョイスしたほうがこの辺りは楽なのですかね?


上陸する時間帯の悪さ
 北海道上陸後の走行可能時間はとても重要です。とくに私みたいなキャンプ派には。
 ホテルでは、夜遅く到着しようが特に迷惑もかからないですが、キャンプ場では日が落ちてからの到着は他のキャンパーへの迷惑や、テント設営を暗い中で行わなければならないなど、なるべく避けたいものです。
 いずれも上陸はその日の一番早い便を選択するのですが、それでも新千歳到着は14時30分。その後のゴタゴタを考えると、走行可能は16時からとなります。そうなると美笛キャンプ場モーラップキャンプ場辺りがギリギリで到達できる限界となります。
 結局大して走るわけでもなく、一日が終わってしまうのです。いくら飛行機が早くてもこれでは意味がありません。
 あるいは、指定の一泊を初日の上陸直後に使うようにすればよいのかもしれません。

 こちらとしては、早朝の朝一番で飛び、なるべく早く走り出したいものです。

Last updated 2004.05.31