愛車のバイクVFR750F(RC36)に無線機を搭載し、色々実験してみたのですが、どうやらマイクレベルの調整が必要らしい・・・・。そして最近の無線機ならデフォルトでその機能が付いている・・・・。そんな理由で新しい無線機を探し始めたら・・・・!!!
なんて素晴らしいバイク用の無線機を見つけました。その名もバーテックススタンダード社製FTM-10S。このページはこの無線機による運用までの顛末を書き残してみました。
|
|||
![]() |
どうしてこの発想がもっと早く形にならなかったのか!
1. 完全防水! しかも無線機本体部と操作パネルは分離設置可能
2. アマチュアバンド144MHz/430MHzの送受信はもちろん、AM/FMラジオの受信が可能。外部音源の接続も可能。二人乗りインターコムとしても使用可能
3. さすがプロセッサ内蔵。痒いところに手が届く各種機能 こいつは面白そうだ・・・・。たっぷりいじってみることにします。 |
||
2009.07.13購入 \39800 | |||
|
|||
![]() |
この無線機、買ってきただけでは当然ダメで、バイクに取り付けるためには創意工夫が必要です。
さて、まずは設置場所。シート下に本体、ハンドル上に操作部。そしてヘッドセットとの接続は左ハンドル下のカウルに設置した接続ボックス。
続いて、ケーブルの引き回し方法。ヘッドセットは従来のを引き継ぐため有線方式にします。そのマイクやスピーカー配線にPTTスイッチ配線は、無線機本体、もしくは操作部のいずれからも引き出すことが出来ますが、私の場合は無線機本体から引き出し、シート下からバイク前方まて持って行くことに。 この構想で問題ないのか、全て実際のバイクに置いて、ケーブルを這わせて長さが不足しないか、どんな部品が必要になるのか、全体のイメージを頭の中に作り込んでいきます。 |
||
|
|||
![]() |
全体のイメージが固まったら、本当にそのイメージで実現可能なのかを実際に確かめてみることにします。
まずは、無線機付属のケーブルで、実際に長さが足りるのかを大雑把にチェック! その様子は左の写真ですが、リアシート下の無線機設置場所からケーブルを『置いて』いき、左ハンドル下のスイッチボックスまで届くのか・・・・
続いて、セパレートの無線操作部をどの辺りに設置するか。 |
||
![]() |
|
|||
![]() |
いろいろ考えて、最終的にまとめたのが左の配線図になりました。
リアシート下に無線機設置。ノイズフィルターと電源系統は今までのを流用します。ウインカー系統から取っており、バッテリー直結ではありません。
無線機から、左ハンドル下に設置の接続BOXまでは、付属の7芯ケーブルに、別販売の7芯ケーブル、さらにMP3音源用の2芯シールド線の3本を敷設します。
接続BOXはハンディー機時代に作りこんだ時から、バージョンアップ可能なようにしておいたので、簡単に作り変えることができます。 さぁ、作業開始〜 |
||
|
|||
![]() |
接続ボックス・・・・、それは無線機側の配線たちと、ヘルメットに装備してあるヘッドセット側の配線たち、それにPTTスイッチなどバイク側の配線、これらを集結させ相互変換するユニットを再製作します。 今回は文字通り無線機側が変わったため、接続ボックスを作り直すことにしました。もちろん、初回製作時に簡単に換装できるように考えていたので、想定の範囲内での作り変え作業なのです。
材料は、ベースとなるプラスチックケース(タカチ電機製 超耐熱樹脂ケース SW-T75)(耐熱105℃)に、各種コネクタ。コネクタは10芯以上の小型で防水のものが欲しかったのですが、いろいろ秋葉原探しても入手できず・・・・非防水で妥協しました。小型のヒロセ電機製HR10A型10芯コネクタ、耐熱85℃。PTT接続用も同型4芯でそろえてしまいました。 |
||
![]() |
プラスチックケースにセンタポンチを当て、電動ドリルで穴あけ加工・・・・そしてさらにヤスリで四角に削り取り下穴加工完了。
こういった加工作業はお手の物なのです。(2回目だしね。)
前回作では、RJ-45コネクタがボックス内に収まらなかった(内部に音量自動調整用アンプ回路を内蔵する予定だった)けれど、今回は内部に特段の回路を設ける予定がないのでコネクタを内蔵しました。 見た目がスッキリして綺麗になりました。 |
||
![]() |
全てのコネクタピンを当初の配線設計どおりにケーブルで接続しました。
細かいケーブルもすべて耐熱仕様として、ラジエター付近での使用条件に配慮。
これでひとまず完成なのです。 配線詳細は日記([ヘッドセット]FTM-10S無線機運用テスト)をご覧下さい。 |
||
|
|||
![]() |
ここでは、車体後部の無線機本体から、車体全部の接続ボックス/操作パネルまでの配線を製作します。
えっ!? 配線の製作!? 配線なんて無線機本体に付いているんじゃ・・・・
はい、確かに『本体−操作パネル』接続ケーブルは付属していますが、それ以外のケーブルもバイク車体前後引き通す必要があるので、事前に一気に準備してしまってから、引き通し作業をします。
引き通すケーブルは3本!
PTTスイッチや音声信号、マイク信号を無線機から取り出すために、(2)のケーブルが必要です。(追加購入『型番CT-M11』) |
||
![]() |
取り付けるコネクタは、新接続ボックスの対になるため、ヒロセ製HR10Aオスコネクタ。
HR10Aの10芯コネクタに、CT-M11音声信号ケーブル(7芯)と、MP3音源信号ケーブル(3芯)をハンダ付けします。 もともと小型のコネクタなので、ピンは非常に細く、ハンダ付けにはコツがいります。私はコネクタを万力で挟んで固定してハンダ付けしていきました。 |
||
![]() |
コネクタ取り付け完了後は左の写真の感じです。綺麗に仕上がりました〜。直径はタバコより2周り大きいぐらいです。 当然反対側もコネクタを取り付けます。CT-M11音声信号ケーブルには無線機本体につなぐためのコネクタが最初から付いていますけれど、MP3音源信号ケーブルにφ3.5ステレオジャックを取り付けておきます。(左の写真にマウスを合わせてみてね!) |
||
![]() |
最後に、今作ったケーブルと、操作パネル接続ケーブルの3本をモールで束ねて1本の太いケーブルにしてしまいます。 かなりボリューミーなハーネスとなって仕上がりました。 |
||
|
|||
![]() |
無線機本体を収納するはずのシート下、実は場所が無いんです!
いちばん広い平地にはETC車載器が設置してあり、そしてその奥には(見にくいけれども)FT-728ハンディー型無線機が設置。銀色の筒みたいなのはノイズフィルターです。
というわけで、FTM-10S無線機搭載の前に、搭載場所確保のための準備工事を行います。 |
||
![]() |
というわけで、アルミ板を切り抜いて専用ステーを作成し、バイクのサブフレームに弾性接着剤で接着固定してしまいます。
弾性接着剤って本当に便利! これで、曲面だったタイヤハウジングの上部に平地が生まれました。 |
||
![]() |
最後にETC車載器を移設します。 これで、ようやくFTM-10S無線機本体を設置する場所を用意する事が出来ました! |
||
|
|||
![]() ![]() |
すべての準備が整ったため、いよいよ車載作業になります。
パニアケースステーやらリアカウルを取り外して作業する必要があるので結構面倒でした・・・・ まずは、事前に作成しておいた車体前後間配線ケーブルをバイクに取り付けます。 リアはサブフレームに沿ってケーブルを通していきます。(写真では弛んでいるけれど、ピタッと取り付けます!)
エンジン横は物理的にスペースが無いので、エンジンの脇すれすれを通します。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、すぐ横がエンジン(シリンダブロック)でものすごい熱を発します。エンジン運転中はサブフレームも熱くて素手では触れなくなります。 耐熱には気を配って製作しましたが、バイクで電気配線をするときには、特に注意するポイントです。 長さは事前に計っていたためぴったり! ケーブルルートも想定どおり! 綺麗にカウルの内側に隠れるように配線ができました。
接続ボックスはもともと取替えが可能なように設計していたため、旧接続ボックスをワンタッチで取り外し、新しく製作した接続ボックスを取り付けます。
ケーブルとはピタッとコネクタで接続! 素晴らしい〜。まぁこうなるように作ってきたわけだから当然といえば当然ですが・・・・ 細かくパーツ毎にコネクタで分離できるようにしておくと、将来のバージョンアップやら故障時の部分交換時に威力を発揮するのです。
最後は、無線機本体。なんとマジックテープを無線機本体の底部に貼り付けておき、バイク本体に『ペタッ』と貼り付ける作戦です。
これで十分!ガッチリ固定できるし、マジックテープが多少衝撃も吸収してくれて一石二鳥です。 ノイズフィルタはそのまま旧無線機時代に設置したものを流用しています。 |
||
|
|||
![]() |
ハンドル周りに取り付ける操作パネル。しかしあいにくトップブリッジには流用できそうなネジ穴などはまったくありません・・・・
そしてステーは、市販のL字型の物を2つ組み合わせてネジ止めとすることで角度を自由に変えられるようにします。
留意点は、下部ステーは接着面積を少しでも広く出来るような形状であること。そしてある程度の厚みと重量を持ったステーをチョイスすることで、バイクの振動を受けてビリビリ・・・・と細かく揺れないようにと。 左の写真は、それら2つを組み立てたイメージ。 |
||
![]() |
さて、イメージが固まれば、早速実行。
下部ステーに弾性接着剤(黒色タイプ)を塗布して、トップブリッジにペタッと接着します・・・・
しかし接着剤の硬化時間は24時間。 |
||
![]() |
こちらは、操作パネルと上部ステー。 操作パネル自体にはもともと固定用のネジ穴が開いているのでそれを使用してステーを固定しますが・・・・ステーの厚みが薄すぎてネジがスカスカなので、無線機に付属していた強力磁石も一緒にネジ止めして厚みを誤魔化します。 |
||
![]() |
さて24時間経過。
下部ステーと上部ステーをボルトで固定します。取り付け場所は完璧にイメージ通り!
そして心配していた接着強度は・・・・これも全然問題なし!ばっちりと固定されています。
使用開始は2009年7月、そしてそこから3年経過していますが、未だにびくともせずに安心して使用できています。 |
||
|
|||
![]() |
さて、早速無線システムの運用テスト。
受信感度はアンテナに大きく左右されますが、アマチュア無線144MHz/430MHz対応のアンテナでも問題ないレベルで受信できます。走りながらラジオが聞こえるのって・・・・新鮮!
周りの車の流れに合わせてのんびり走っていても、ラジオを聞きながら走っているとイライラせず、快適に走れます。
さすがに高速道路に乗っていると、次々と県境をまたぐことになりそうなるとちょくちょく受信周波数を変える必要があるのでストレスが貯まりますが、逆に街乗りが快適です。
バイクでゆったり街乗り・・・・ちょっと衝撃的な感覚です。 |
||
|
|||
![]() |
いよいよ本命の、アマチュア無線通話テスト。コレばっかりは相手がいないと出来ませんから、みんなでツーリングの時がチャンスです。FTM-10S搭載機同士の通話試験。
やっぱり走りながら手軽に周波数を変えたり、ボリュームを変えたりできるのって素晴らしい〜
ちなみに実験できた最長距離は、約15[km]。首都高レインボーブリッジの上と、中央環状線の高架上との会話でしたが、この距離でもクリアに通信ができました。さすがにレインボーブリッジを通りすぎて標高が下がり、ビルの影に入ったら全然ダメでしたけれどね。 |
||
|
|||
![]() |
バイクで走りながらFMラジオ・・・・
とっても新鮮でのんびり走っても楽しくなるわけですが、主に高速道路巡航をして長距離を移動しつづけるスタイルだと、放送局の電波が届かなくなり頻繁に受信周波数を変えることになります。
そもそも地方のラジオ局の周波数なんて分からないし、山岳ゾーンだと受信そのものが(FTM-10Sだと)不可能だしで、結局FMラジオ受信を諦めざるを得ません。 |
||
![]() |
そこでお得意のアルミ板を切り抜いてステーを作成、クラッチフルード・リザーバタンクに弾性接着剤で固定しました。 後は、3.5φのステレオケーブルで、FTM-10Sと接続するだけ。これはヘッドセットやPTTスイッチを配線した時に考慮済みなので、ささっと接続完了。
ずばい、良い! 暇な高速道路ソロ巡航の時には、大変重宝します。 |
||