ブレーキパッド
 
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 ブレーキ系統といえば重要保安部品故障すると人命に関わる機器)で、バイクの場合は特にこれに命を賭けて乗っていると言ってもいいでしょう。何しろ身を守るものはヘルメットだけですからね。
 重要保安部品のメンテナンスは、個人が自分の使用するバイクをメンテする場合、もしくは国家資格をもった自動車整備士が常駐する認証工場でなければ実施することが禁止されているほどです。

 そんなブレーキ系統は消耗部品の塊で構成されていて、
ブレーキディスク(ブレーキパッドに挟み込まれる際の摩擦でブレーキ力を得るためだんだん削れて薄くなる)
ブレーキパッド(この部品をブレーキディスクに押し付けて摩擦力を得るため削れて薄くなる)
ブレーキフルード(ブレーキレバーにかかる力をピストンに伝えるためのオイルで吸水性があるため徐々に劣化する)
オイルシール(オイルがピストンを押し付けるときにオイルが漏れないようにするゴムで、パッドカスや雰囲気で劣化する)
など、長くバイクに乗る場合はどうしても気を使ってあげなければダメなのです。

フロントブレーキディスクとキャリパー
パッドの交換タイミング2004.07.06作成
パッドの厚さの比較

 ブレーキパッドの交換時期は、パッドの残りの厚さが1mm以下にならないようにしています。この辺りは参考にする資料によっては1.5mmだったり2mmだったりしています。
 共通して言えることは『パッドの交換をケチってギリギリまで使い込もうとすると、そのまま交換を忘れてディスクを傷つけてしまい非常に高くつくため早めに交換するべき』とのことです。 (パーツリストによるとディスク1枚17000円)

 左の写真は新品のブレーキパッド(上側)使用後のブレーキパッド(下側)の厚みが判るように上面から撮影したものです。新品は3〜4mm近く厚みがありますが、使用済みは2mmは無いけど1mm以上はあるといったところです。 (実は写真の純正パッドは効きがイマイチ悪いので途中約9000kmで使用を止めてしまったものです。)

 ちなみに、VFR750F(RC36)のブレーキはフロントブレーキがダブルディスク・片押し式2ポッドキャリパー、リアブレーキがシングルディスクキャリパーはフロントブレーキと同一なものを使用しているので、交換用のブレーキパッドを購入してくるときは一度に3組必要になります
 いきなり店頭に行っても在庫不足で一度にそろわないときもあります。

交換サイクル実績2012.11.12更新
使用前使用後のブレーキパッド
パッドグリス2004.08.07作成
パッドグリス

 ブレーキパッド自体の裏面に薄く塗りつけたり、パッドピンに塗って使用します。場所が場所だけに非常に粘度が強く高い耐熱性があるグリスで、ブレーキの摩擦熱でも溶け出さないようになっています。
 代用品などを使用すると熱によって溶け出し、最悪はブレーキが利かなくなることもありますから、どうせなら指定のものを使用しましょう。

 ブレーキの鳴き防止のほか、焼きつき、腐食、磨耗から保護します。

 ただし、使用するのはブレーキパッド交換時のみなので買ってから今までほとんど減っていません。

1995.12.03購入 \2450
RK製 Fine Alloy 55ブレーキパッド2004.08.15作成
RK製パッド

 ブレーキパッドにも種類があり、

1 レジン樹脂にアスベストや鉄、銅などを混ぜて焼き固めたレジン系 (セミメタル系という場合もある。)
2 金属粉(主成分は銅)を高温で焼き固めた焼結系(シンタード系)

があります。
 一般的に後者のほうが効きが良いのですが、同時にディスク自体も大きく削れますし、パッド・ディスク自体の温度が高くないと効果を発揮しにくいので、街乗りだけだと効果が出にくいところも検討ポイントです。

 このパッドは純正パッドの効きがいまいち(特に雨天時はスーッと滑っていくような感触で最悪です。)でとりあえず乗り換えてみたものです。
 メーカーの歌い文句では『55%の銅フレークを配合したセミメタルパッド。これにより、低中速から高速まで安定した制動力と耐フェード性、ウェット時の安定性を発揮します。FA5シリーズはコントロール性とコストパフォマンスを重視した設定の為、市街地走行の多い方にお奨めです。』とあります。

 でも、晴天時は純正パッドと劇的に変わった感触は無く雨天時でもそこそこ効くといったところでした。

1997.12.30購入 \3220x3セット
RK製 Mega Alloy X ブレーキパッド2004.10.04追記/2004.09.09作成
RK製セミメタルシンタードパッド

 初めて購入したシンタードパッド。RK製ブレーキパッドのラインアップの中でも最上級のものです。

 案の定、街乗りではブレーキの効きが良くありません。握力でグリグリと握りこんで止める感覚です。この手のパッドはパッド自体の温度がある程度高くならないと効きはじめないので、以前より強く握らないと止まってくれません。
 2004年の北海道ツーリング直前に変えてから、北海道ではあんまりブレーキを酷使しないので真価が発揮できず、東京に戻ってからはなかなか時間が取れず、ツーリングに出かけていないため、いまだ効き具合を試す機会がありません

 ツーリングで試してみたら、ココを更新しますね。

〜2004.10.04追記〜 UPDATE
 低速タイトコーナーが連続する林道で使ってみました。ズバリ効きます
 今使っているタイヤがブリジストンのBT014というとてもやわらかいタイプというのもあって、ブレーキを握りこむほどグイグイ効きます。特に後輪の効き方がはっきりと違いがわかるほど。(キャリパーごと交換したせいもあるけど。)
 下り坂でコーナーに突入をするとき、いつもの体で覚えているタイミングでブレーキをかけるとコーナー手前で減速が完了してしまいます。

 でも、林道を抜けて市街地に出ると、効きがイマイチに戻ります。

2004.07.07購入 \5197x3セット
純正ブレーキパッド(NISSIN製)2004.10.09作成
純正ブレーキパッド

 HONDA純正のブレーキパッドです。材質等は調べてはみたのですが不明です。
 効きは具合は、『効かなくは無いけどよく効きもしない。』といったところですが、 純正品の長所は『もともと分厚い為、持ちが良いこと』です。

 左の写真は未使用の純正パッドで、"パッド交換のタイミング"のコーナーの写真は『RK製 Mega Alloy Xブレーキパッド』の未使用写真です。
 厚みを比べてみてください。全然違いますよね。

 値段がほぼ同一なので、性能もいっしょなのかな?と判断してしまいがちですが、 厚みがあるぶん材料費は純正のほうが高そうです。結果的に純正はグレードが少し低いんじゃないのかと思っています。

プロジェクトμ・カーボンブレーキパッド2009.02.25作成
プロジェクトμブレーキパッド

 前途のRK製MA-Xシンタードブレーキパッドを使用していたのですが、効きはよいけど良く鳴きます。そしてストリート走行では効きがイマイチで、最悪なのは雨天走行時!でブレーキをかけてもスーッと滑るような感覚で全然効きません・・・・!

 北海道などロングツーリングに出かければ、必ず雨に当たり、そして無理をしても雨天を走らなければならないことがあります。私のようなバイクの乗り方だと、ワインディング時の性能も(ちょっとだけだけど・・・)必要ですが、それ以上にどんな天候でも安定した性能を発揮してくれるほうが重要なのです。
 そこで、もう少しストリート寄りの性能を重視するためにこれをチョイスしてみました。

 さすがにストリート走行では扱いやすくなりましたが、やっぱり鳴きます・・・・。

 でも、無難な性能で、良いと思います。

2007.07.16購入 \3830×2
フェロード製・プラチナムブレーキパッド2009.07.01作成
フェロード製・プラチナムブレーキパッド

 ブレーキパッドって意外と高価・・・・。そんな中で比較的安価に購入できるフェロード製プラチナムブレーキパッドを試してみることにしました。

 ブレーキパッドを交換するときは、面取りといってブレーキパットの角をヤスリで削り落とすのですが・・・・・『柔らかい〜』。
 普段だと角を満遍なく削るのが面倒だと思うこの作業が、フェロード製パッドだとスイスイ。ヤスリを軽く当てるだけで削れていくというか・・・・ポロポロと崩れていくというか・・・・。

 これは不安だなぁ。実際にブレーキングで使用した際も、こんなふうにバシバシ削れていくのかしら?

 そして、その予感は当たっていたようです。
 "交換サイクル実績"にも記載されていますが、リアパッドは特段の理由がない場合は平均1万5千キロ。ヘタしたら2万キロオーバーの時もありますが、このパッドは8千キロという短命で終わることになりました。

 安いからあと2セットも買ってしまっている! どうしよう・・・

2007.12.30購入 \3998
デイトナ製・赤ブレーキパッド2012.11.12作成
デイトナ製・赤ブレーキパッド

【Update #2】初回記述の内容に誤りがありました。訂正させて頂きます。

 このパッドはあまり印象に残っていません・・・・というのも、ブレーキディスク自体の交換をした時に、まだ寿命があったにもかかわらず短い距離で替えてしまったからなのです。
 せっかくの耐久性診断ができなくなってしまいました。効き自体は・・・・まぁ普通に街乗りするには十分です。

 ただし、さすがデイトナ。販売ルートが多方面にあるのか、どこに行っても確実に入手できる安心感はピカイチです。

2010.09.20購入 \3990
ブレーキフルード 和光ケミカル製 SP-42008.07.18作成
和光ケミカル製 SP-4

 ブレーキパッドは削れていくことで限界がわかりますが、ブレーキフルードは劣化してくるとだんだんと色が濃くなって濁ります

 最低でも2年毎の車検では必ず交換するようにしましょう。
 ブレーキフルードは吸湿性があるので、放置しておくと大気中の水分を取り込んで徐々に劣化してしまうのです。
 保管時はキャップを厳重に締めて密封しているにもかかわらず劣化するほどですから、バイクに搭載状態だと、これまた密封しているつもりでも劣化してきます。

 ブレーキをかけるとブレーキパッドは高熱になり、その熱はブレーキフルードにも伝わり、もともとフルードはこの高熱に耐える性能を持っているのですが、水分が多くなってくるとこの性能が落ちてくるのです。

 また、いくつかの性能ランクがあり、DOT3、DOT4、DOT5があります。一般的にリザーブタンクの蓋には適合するランクの記載があるので、特にこだわりがなければ同じランクのを投入しましょう。
 また、継ぎ足しは厳禁です。必ず全交換するようにしましょう。

T142 2008.03.22購入 \3360-10%引き

Last updated 2012.11.12