限定解除
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 現在は、教習所にて排気量無制限の大型二輪免許』を取得することが出来ますが、1996年9月までは400ccまでに限定されている二輪免許中型限定』しか取得できませんでした。
 この当時に排気量限定を解除してもらうためには各都道府県警察にて直接試験を受ける以外に手段は無いのです。

 これが『限定解除試験』なのですが、教習所みたく教官vs客の立場ではないため、『落とすための試験』といわれ合格率は非常に悪く10%以下でした。

 私はいきなり試験を受けても乗りこなせないだろうと思い、教習所にて練習(教習とは違い、ただ単に大型バイクに乗って慣れるだけです。)してから受験しました。
 そんな苦労を残しておこうと思いこのページを作成しました。
1.事前審査2004.01.31作成
 限定解除試験は、後述する技能検定試験を受ける前に『事前審査』というものがあり、コレに合格しないと技能検定試験を受験することが出来ません。
 事前審査は、大きなオートバイを扱える体力があるかどうかを判定します。
8の字押し歩き 車体を押して歩き、8の字を描きます。左小回りと右小回り組み合わさっており、腰を使ってバイクを支えるようにすれば問題はありません。
車体引き起こし 倒れているオートバイを起こします。試験車はバンパーが付いているので完全に真横に倒れません。したがって結構楽に起こせます。
センタースタンド掛け オートバイのセンタースタンドを掛けます。センタースタンドはてこの原理を使っているので、体重の掛け方さえ間違わなければ大丈夫です。
 事前審査で落ちることはまず無いので安心しましょう。


2.技能検定試験2004.01.31作成
 いよいよオートバイに乗車して、試験コースを走行します。
 コース走行中には数々の課題が設定されており、ミスをすると減点されていきます。持ち点100点でスタートして、70点以上で合格となります。
 自動車試験でもおなじみの『課題』と、オートバイのみに設定されている『特別課題』があります。
課題 ・幹線・周回コースの走行(発進・停止・指定速度での走行を含む)
・交差点の通行(右折・左折を含む)
・横断歩道・踏切の通過
・直角クランク狭路・S字曲線狭路の通過
・坂道コースの走行(一時停止・発進を含む)
特別課題 平均台(一本橋)コースの通過
連続進路転換(スラローム)コースの通過
波状路コースの通過
・指定速度からの急制動
 採点は、乗車するときから降車するまで間の全てについて行われます。
 ミスのレベルにより『5点減点』『10点減点』『20点減点』『検定中止』が取られます。 また『特別減点項目』があり、1回のミスでは取られませんが、2回目のミスをすると1回目からさかのぼって減点されます。
 採点基準は、下記のとおり非常に細かく、たくさんあります。
採点基準
検定中止 逆行(大) 1m以上逆行した
発進不能 4回 1車長(車の長さ)の間にエンストを4回した
信号 青信号の間に発進できない
停止 不要に停止して迷惑を及ぼした
発進 エンストしたあとに1分を過ぎても発進できない
到達不能 指定速度からの急制動でやり直しをしたが再び指定速度に達しなかったり制動開始線より手前でブレーキをかけた
区間超過 指定速度からの急制動で停止限界線から前車輪の接地面部がはみ出した
暴走 ブレーキ、ハンドル、またはアクセルコントロールを失い危険な場合
転倒 車体を倒したりバランスを失い横倒しになるのを防ぐため足で支えた
通過不能 4回 課題を走行中にエンストを4回した
平均台 平均台(一本橋)に乗れなかったりエンスト、または足をついた
スラローム スラロームを順に通過できなかったりエンスト、または足をついた
スラロームコースを示す限界線を前後輪の接地面部がはみ出した
波状路 波状路を走行中にエンスト、または足をついた
狭路 S字、またはクランクコースを通過できなくなり停止した
脱輪(大) 縁石に乗り上げて1.5m以上走行した
接触(大) 障害物に車体が接触した
右側通行 区分 中央から右側部分を通行した
追越し 左側部分が6m未満の道路で禁止されているときにはみ出し追越しをした
はみ出し 禁止場所ではみ出し追越しをした
障害物 障害物を避けるためにはみ出して対向車を妨げた
安全地帯等進入 安全地帯や立ち入り禁止部分に入った
後車妨害 妨害 後車を妨害する恐れのあるときに進路を変えた
時期 進路を変えられるのに時期を失って妨害した
信号無視 赤信号 赤信号で停止位置を越えた
黄色信号 安全に停止できるのに停止位置を越えた
進行妨害 左方 左方の車を妨害した
優先路 優先道路の車を妨害した
広路 広い道路の車を妨害した
右折 右折するとき直進車や左折車を妨害した
一時停止 一時停止の場所で車を妨害した
一時不停止 一時停止の指定場所で停止しない
安全間隔不保持 間隔 対面している歩行者と1m以上、背面している歩行者と1.5m以上保たない
徐行 歩行者との間隔を保てないのに徐行しない
踏切不停止 手前 踏み切りの手前2m未満で停止しない
無視 遮断機や警報機が作動しているのに踏切に入った
進入 前方がつかえているのに踏切に入った
追越し違反 法令で定められた禁止されている場合や場所で追越しをした
割り込み 法令や規定や警察官の命令や危険防止のため停止や徐行している車の前に割込んだりその前を横切ったりした
安全運転義務違反 道路や交通、車の状況に応じて危害を及ぼさないような速度と方法で運転しない
減点 20点 逆行(中) 停止地点から0.5m以上1m未満逆行した
速度速すぎ
(大)
速い 安全速度よりも5km/h以上速い
カーブ カーブに入ってからブレーキをかけた
ふらつき
(大)
S状 0.3m以上の幅でS状を描いた
半円 0.5m以上の幅で半円を描いた(走行路線を1m以上の幅で外れたときも含む)
側方間隔 移動可能 移動物や人が乗っている車の横を1m以上保たない
不動 建造物や人が乗っていない車の横を0.5m以上保たない
前車 停止している前車との間を1.5m以上保たない
脱輪(中) 縁石に乗り上げて1.5m未満で停止した
接触(小) 障害物に軽く接触した
徐行 右左折 徐行しないで右左折した
優先道路 徐行しないで優先道路に入った
広路 徐行しないで広路に入った
標識 徐行場所で徐行しない
見通し 徐行しないで見通しのきかない交差点に入った
曲がり角 徐行しないで曲がり角付近を通行した
頂上 徐行しないで上り坂の頂上付近を通行した
坂道 徐行しないで勾配の急な下り坂を通行した
進入禁止 交差点 交差点内で停止するような状況のときに進入した
歩道・標示 横断歩道や停止禁止部分で停止することが明らかな状況のときに入った
黄色信号 安全に停止できないときに横断歩道などで停止した
合図車妨害 合図をした車の進路変更を妨げた
速度超過 指定された速度を5km/h以上超過した
10点 乗車姿勢不良 姿勢 着座位置が不適切なため、不自然な姿勢である
ひざ 必要な場合にニーグリップしない
足先の向きやステップへの足のかけ方が常時不適切である
手が張っている
前輪ブレーキレバーを常時2本以下の指で操作した
ひじ ひじが張っている
着座 平均台(一本橋)で着座姿勢を保たないで走行した
立ち姿勢 波状路コースを立ち姿勢を維持しないで走行した
逆行(小) 停止位置から0.3m以上0.5m未満逆行した
課題速度 区間 指示速度よりも5km/h以上遅い
急制動 指定速度からの急制動で指定速度に達しない速度で制動開始線に入った、または指定速度には達したがその手前から制動をはじめた
安全不確認 発進 発進する時に右後方や周囲の安全を確認しない
後退 後退するときに後方を目視しない
周囲 後退中に側方や周囲を目視しない
変更 進路変更するときに後方を確認しない
交差点 車や歩行者に対して安全の確認をしない
後方 走行中にバックミラーにより後方の確認を行わない
踏切 踏切に入る直前に左右の安全を直接目視しない
脇見 走行中に運転装置または車外の一点に気を奪われた
降車 降車するときに右後方や周囲の安全を確認しない
制動 前後輪ブレーキ 前輪または後輪のブレーキを使用しない。前後輪ブレーキを同時に使用しない
速度速すぎ
(小)
速い 安全速度よりも5km/h以上速い
カーブ ブレーキをかける時期が遅れた
波状路 波状路コースを5秒未満で走行した
ふらつき
(小)
S状 0.1m以上0.3m未満の幅でS状を描いた
半円 0.3m以上0.5m未満の幅で半円状を描いた(走行路線を0.5m以上1m未満の幅で外れたものも含む)
バランス ふらついたとき。またはバランスの崩れを立て直すために足をついたとき
急ハンドル 0.3Gを超える横加速の急ハンドルを切った
バンク 不必要に車体をバンクさせて進路を変更した
接地 バンクをつけすぎたために車体の一部が接地した
路側帯 路側帯に車体の一部が入った
変更禁止 みだり みだりに進路変更をした
標示 進路変更禁止の場所で進路を変更した
安全速度 交差点を安全な速度と方法で進行しない
方向別通行 進行方向別通行区分に従わない
優先判断 左方 左方の車に迷惑を及ぼした(進行妨害にならない程度のもの)
優先路 優先道路の車に迷惑を及ぼした(進行妨害にならない程度のもの)
広路 広路道路の車に迷惑を及ぼした(進行妨害にならない程度のもの)
右折 直進車や左折車に迷惑を及ぼした(進行妨害にならない程度のもの)
一時停止 一時停止の場所で迷惑を及ぼした(進行妨害にならない程度のもの)
妨害 妨害するおそれがあるときに転回等をした
泥はね運転 泥土等を飛散させて迷惑を及ぼした
警音器 みだりに鳴らしたり指定場所で鳴らさない
急ブレーキ 0.4Gを超える強い減速度でブレーキをかけた
車間距離 前車との間に追突しない距離を保たない
5点 処置 発着点でバックミラーを合わせない
スタンド サイドスタンドを戻さない
ギア ギアを入れたままクラッチを切らずにエンジンを始動した
指定時間
不足
平均台 平均台(一本橋)で前車輪の接地面部が一部平坦部にかかってから傾斜部にかかるまでの所要時間が10秒未満で通行した(1秒ごとに適用)
発進合図 しない 発進の合図をしない
継続 発進の合図を継続しない
戻し 発進の合図を止めない
エンジンブレーキ(坂) 下り坂でエンジンブレーキをしない
停止位置 停止位置から2m以上手前で停止した
前後 ポールから0.3m以上先か手前に停止した
巻き込み 二輪 平行している二輪車を先行させない
離れ 交差点の手前で道路の左端によらない
脱輪(小) 縁石や歩道に車輪が軽く接触した
通行帯 右端 最も右端の車両通行帯を通行した
区分 指定された通行帯を守らない
車両通行帯をまたいで通行した
進路変更
(狭路)
しない 進路変更をしない
遅延 進路変更を終わったのが狭路の入り口から30m未満であった
離れ 道路の左端から1m以上離れている
右振り 狭路の入り口でハンドルを右に切った
進路変更
(交差点)
左しない 左に進路変更しない
左遅延 左に進路を変え終わったのが30m未満であった
右振り 左に進路を変える直前に右にハンドルを切った
離れ 道路の左側端から1m以上離れている
右しない 右に進路変更しない
右遅延 右に進路を変え終わったのが30m未満であった
右離れ 中央線から0.5m以上離れている
右左折
(交差点内)
左大回り 左折するときに後車輪が左側端から1m以上離れた
右斜め 右折するとき前車輪が中心から2m以上離れた
右外 交差点の中心の外側を後車輪が通過した
踏切内変速 踏切の中心を後車輪が通過し、車体の半分の距離を出ないうちに変速操作をした
駐車措置 スイッチ エンジンを止めないで降車した
駐車方法 道路の左側端から0.3m以上離れた
特別減点 10点 課題外速度 出せる速度に達するのが遅い。出せる速度を維持しない。上り坂で停止した
加速不良 交通や道路の状況に適した速度に達するのが遅かったり、速度を維持しなかった
曲線バランス
屈折バランス
S字およびクランクコースの入り口から出口までの間にバランスの崩れを立て直すため足を接地した
5点 アクセルむら 急発進 0.4Gを超える加速度で急発進した
ノック
空転
操作不良のため車体ノックを3回以上させた
3000回転を超える空ぶかしをさせた
エンスト 操作不良のためエンストをさせた
発進手間取り 5秒たっても発進しない。前車が15m以上進行しても発進しない。エンスト後5秒たっても始動しない
変更合図 しない 進路変更の合図をしない
継続 進路変更の合図を継続しない
戻し 進路変更の合図を消していない
不適 進路変更の合図が不適切
右左折合図 しない 右左折の合図をしない
継続 右左折の合図を継続しない
戻し 右左折の合図を止めない
不適 右左折の合図の操作が不適切
エンジン
ブレーキ
ブレーキをかける前にクラッチを切った
前後 変速操作の前後にクラッチを切って惰力走行した
制動 構え 制動が予想されるのに構えをしない
断続 ブレーキペダルを2回以上踏まない
待ち 信号待ち等の間にブレーキをかけない
支え ブレーキペダル側の足で車体を支えた
不円滑 0.4G以上の減速度で制動した
狭路切り返し 切り返しをしないで通れるのに切り返しをした

 では、私が実際に受験した警視庁 府中運転免許試験場のコースを記憶を頼りに思い出しながら、紹介していきます。
 (ただし、あくまで記憶が頼りなため、細かい部分は違うところがあると思います。その節は御容赦願います。)


3.警視庁 府中運転免許試験場攻略1 特別課題3点セット2004.01.31作成
 警視庁の場合、受験者の数が多いため、スタート直後にいきなり『平均台』『波状路』『スラローム』の特別課題3点セットを配置して、バイクをコントロールできていない受験者を排除する仕掛けになっているため、練習をしていない人は1分と走る間もなく『検定中止』となってしまいます。
府中運転免許試験場#1
 府中試験場の場合、コースは1コースしかありません。試験車両は当時『HONDA VFR750K』と『YAMAHA FZX750』のどちらかランダムにあたりました。

 スタートしてすぐに特別課題3点セットゾーンに突入します。特別課題は、法規走行とは別に試験目的と採点基準が設定されています。
 自分の順番を待つ間に他人の走行を見ているのですが、やはりココで半分以上が検定中止を食らいます。

3.1.平均台(一本橋)
 最初は平均台です。
 平均台は、幅30cm、高さ5cm、長さ15mの台の上を10秒以上かけて低速で走行して、バランスコントロールが出来るかが試験されます。台に乗るところと降りるところに車重スイッチがあり、ストップウォッチと連動して、正確に計時されます。
 台の手前で一時停止をしてから台に乗るのですが、発進直後はただでさえバランスが不安定なため台に乗るのが難しく、直前の小回りを確実にこなして平均台と平行にバイクを停止させれるかがポイントです。台に乗ってさえしまえば、半クラッチとアクセル、後輪ブレーキを使ってバランス走行をします。
 平均台脱輪は一発で検定中止となってしまうため、落ちるぐらいなら早着したほうがましです。
平均台(一本橋)
検定
基準
長さ15m、幅30cm、高さ5cmの狭路台を10秒以上の時間をかけて通過する。
たとえ10秒以上の時間をかけて通過したとしても、橋の上で大きくふらついたり乗車姿勢が適切でなかったりすると減点の対象となる。
採点
基準
検定中止 転倒 車体を倒したりバランスを失い横倒しになるのを防ぐため足で支えた
エンジンストップ アクセルやクラッチの操作が不適切でエンジンが停止した
暴走 ブレーキ、ハンドル、またはアクセルコントロールを失い危険な場合
通過不能 橋に乗れなかったり、バランスを大きく崩し足をついた 
脱輪 前後輪のどちらかが橋から落ちた
通過タイム7秒以下  
減点 20点    
10点 乗車姿勢不良 ニーグリップが出来ていない。つま先が進行方向を向いていない。
ふらつき(小) 橋の上でバランスを崩し蛇行した
安全不確認 発進する直前に安全確認を怠った
5点 運転操作不良 アクセルを必要以上に使った。クラッチやブレーキの操作が不適切
指定時間不足 (1秒ごとに5点減点)
特別
減点
10点    
5点    


3.2.波状路
 続いて、波状路コースです。(※注:大型二輪免許制度が出来てから、コースが変更されて平均台スラローム、波状路の順になっています。)
 波状路は不等間隔で、幅70cm、高さ5cmの障害物が9個設置されており、衝撃吸収姿勢(立ち乗りのことです。)で安全に通過します。
 高さ5cmというのがミソで、速度をあげて通過しようとするはバイクが跳ねて暴れてしまいコントロール不能になります。かといって、跳ねないような速度だと乗り越えることが出来ません。そこで、タイヤから伝わる乗り上げる挙動を感じ取り、そのときだけチョコンとクラッチをつないであげます。
波状路
検定
基準
波状路走行は、悪路走行を想定して不等間隔に設けられた突起部分を5秒以上の時間をかけて通過する。
乗車姿勢は立ち姿勢をとり、突起部分から受ける衝撃を体全体で吸収してバランスよく通過することが重要である。
採点
基準
検定中止 転倒 車体を倒したりバランスを失い横倒しになるのを防ぐため足で支えた
エンジンストップ アクセルやクラッチの操作が不適切でエンジンが停止した
暴走 ブレーキ、ハンドル、またはアクセルコントロールを失い危険な場合、または極端に速い速度で通過した場合
通過不能 波状路を通過できなかったり、大きくバランスを崩し足をついた
脱輪 前後輪のどちらかが幅70cmのコース外に出た
減点 20点    
10点 乗車姿勢不良   
ふらつき(小) 橋の上でバランスを崩し蛇行した
速度速すぎ 明らかに速い速度(5秒未満)で通過した
5点    
特別
減点
10点    
5点 アクセルむら 操作不良のため車体ノックを3回以上させた
3000回転を超える空ぶかしをさせた


3.3.連続進路転換(スラローム)
 特別課題3点セットの最後は、スラローム走行です。
 幅2mのコースに4.5m間隔でパイロンが5つ設置されており、ココを波縫い走行します。バイクが大きいため、寝かしこまないと曲がりきれませんが、寝かしこむとすぐ次に逆方向に寝かしこまなければならなくなるため、アクセルワークをうまく使い、寝かしこみ&戻しを行う必要があります
 バイクが膨らんで、コース幅限界を示す白線を踏むと検定中止となってしまいます。
(※注:大型二輪免許制度が出来てから、コース幅限界の採点は廃止され、変わりに通過タイム7秒以内という制限が設けられました。)
スラロームコース(連続パイロン)
検定
基準
4.5m間隔で設けられた5本のパイロンの間をS字状に連続して通過する。この際、コースの幅2mから逸脱してはならない。
パイロンに接触しないように注意し、アクセルワークと体重移動を使ってリズミカルに重心の移動を行うことが重要となる。
採点
基準
検定中止 転倒 車体を倒したりバランスを失い横倒しになるのを防ぐため足で支えた
エンジンストップ アクセルやクラッチの操作が不適切でエンジンが停止した
暴走 ブレーキ、ハンドル、またはアクセルコントロールを失い危険な場合
通過不能 スラロームを通過できなかったり、大きくバランスを崩し足をついた
接触(大) パイロンを倒した
脱輪 前後輪のどちらかが幅2mのコース外に出た
減点 20点 接触(小) バンパーがパイロンに触れた 
10点 乗車姿勢不良   
車体接地 必要以上にバイクをバンクさせ、パンパーやステップが接地した
5点    
特別
減点
10点    
5点 アクセルむら 操作不良のため車体ノックを3回以上させた
3000回転を超える空ぶかしをさせた


3.4.法規走行(踏切・障害物)

 ここまで来れたら、第一関門は突破です。
 とにかく安全確認は、首が引きちぎれるぐらいブンブンまわして、試験官にアピールします。
 踏切は一時停止と、発進前の安全確認、踏切内変速禁止を守れば問題はありませんが、直後の周回コースの安全確認動作が入るのでいそがしいです。
 周回コースに入ったら、直ちに障害物回避のための右車線変更となりますが、前方からの車に優先権があるので、進路妨害による検定中止に気をつけて徐行します。



4.警視庁 府中運転免許試験場攻略2 法規走行・屈折・S字課題2004.01.31作成
 コース中盤は、メリハリのある加速&減速が求められます。
府中運転免許試験場#2
 もたもた加速していると『アクセルを開けないんだったら大型バイクに乗る必要がないじゃん』と言われ決まって加速不良を取られます。制限速度なんか関係ありません。とにかく加速です。
 クランクやS字はコースの内側にパイロンを立ててあります(汚ね〜)。このパイロンに接触は減点パイロン倒しは検定中止となるためコース取りが難しいです。


5.警視庁 府中運転免許試験場攻略3 法規走行・急制動2004.01.31作成
 さあ、最後の特別課題、急制動です。これさえ乗り越えればコース完走は目の前です。
府中運転免許試験場#3
 急制動は速度40km/h以上の状態で制動開始点パイロンに突入し、急ブレーキをかけて11m以内に停止します。自動車と違いただ単に強いブレーキをかけると簡単にタイヤがロックしてバランスを崩し転倒の危険があるため、ロックをする挙動を感じたらブレーキをやや緩めたりと微妙なコントロールが必要です。
 制動開始点パイロンの部分には赤外線式の速度計測器が設置されていて、40km/hを厳密にチェックされます。
 指定速度40km/hを出せなかったときには減点を取られ、1度だけ再チャレンジが出来ますが、それでも指定速度に達しないときは検定中止です。
 停止限界点に突入する直前まで加速した42km/hと、はるか手前で45km/hまで加速し惰性の42km/hでは断然後者が有利なため、とにかく早い段階で指定速度やや超過を作り出すのがポイントです。

 試験中唯一、急制動中のみエンストをしても、右足をついても減点になりません。とにかく短距離での停止が優先されます。ただし、停止後に発進するときからは法規走行の則り、安全確認が必要となります。
急制動
検定
基準
急制動は危険回避を目的とした課題で、すべてのブレーキ操作(前輪ブレーキ、後輪ブレーキ、エンジンブレーキ)を使用して、ロックすることなく、なるべく短い距離で停止する。
指定速度は40km/h以上で急制動開始位置に進入し、急制動を行い11m以内に停止する。
採点
基準
検定中止 転倒 車体を倒したりバランスを失い横倒しになるのを防ぐため足で支えた
区間超過 停止限界線を越えて停止した
指定速度不到達 1回のやり直しをしたが、指定速度40km/hに達しなかった。または制動開始点より手前で制動を開始した
減点 20点    
10点 車輪ロック タイヤをロックさせたまま1m以上滑走した 
制動 前輪または後輪のブレーキを使用しない。前後輪ブレーキを同時に使用しない
課題速度 指定速度に到達できなかった(2回目は検定中止となる)
安全不確認 発進する直前に安全確認を怠った
5点    
特別
減点
10点    
5点    


6.警視庁 府中運転免許試験場攻略4 法規走行・降車2004.01.31作成
 もうここまでくれば完走でしょう。間違っても一時停止不停止や、信号無視などのくだらない検定中止を取られることに無いように
 最後は、大型バイクの特性を最大限に使って、とことん加速と、カーブではこれでもかというぐらい減速しましょう。カーブでの速度が遅くても減点は取られません
府中運転免許試験場#4
 発着点まで戻ってきたら、目印のパイロンの前後30cm以内にタイヤの前面を合わせて停車させます。エンジンを止め、あくまでも降車してからスタンドを掛けます(普段の癖で先にスタンドを掛けてはいけません。)。

 祝完走!! ここまで来ても合格かどうかはわかりません。試験官からすぐに結果が知らさることでしょう。

7.受験体験記2004.01.31作成
1994.09.17 限定解除を目指すため、ブーツを買った。免許試験場で試験を受けるときは、まず格好で判断されるからだ。ジャケット皮グローブ皮ブーツは受験の基本セット。 [ベガ製\16800]
1994.11.03 コースを頭に叩き込むため、限定解除の本を買った。コース以外にも、試験ポイント等も乗っていて参考になる。毎日熟読して頭に叩き込む。 府中のコースは平均台波状路スラロームの3点セットがコース開始直後にあり、大半の人はここで落とされるらしい。[\1000]
1994.11.23 いきなり試験は無理そうなので、教習所で練習することにした。いろいろとコースがあったが15時間練習コースにして、予約をしてきた。[\65500+3%]
1994.11.26 初の練習。初めてナナハンにまたがる。でかい。8の字走行でバイクになれようとするが、バイクが言うことを聞かず消火器ボックスに激突し破損させてしまった。でもバイクの引き起こしは教習車にバンパーがついて完全には倒れないので、簡単だった。
1995.01.13 練習8時間で、第一回目の限定解除試験を警視庁府中試験場にて受験。今日の目標は前半特別課題3点セットの突破。
最初はバイク引き起こしと8の字押し歩きの事前審査でらくらく合格したが、検定乗車順は受験一回目の人は一番最後と決まっているので他の人が終わるまで待機。アガリ症の僕は、この待ち時間で緊張してしまった。
さて、僕の順番になる。スラロームでふらついたが、3点セットを終えても『検定中止』の声がかからなかった。やった! でも、そのあとがボロボロで、外周速度超過でバンクさせたときにバンパーを擦ってしまい火花が飛び、直角クランクではパイロンに接触した。その後も最後だったのでS字を終わるところまでは走らせてもらえたがここで『検定中止』となった。
1995.01.31 練習13時間で、第二回目の限定解除試験。
今回は、『とにかく早い順番に乗ってしまえば緊張しないハズ』理論によって、早めに試験場に行き、乗車順3番をゲット。コースに移動する時に前回検定中止となった直角クランクを歩くと、すごく広かった。『なぁーんだ』と緊張が緩んだ。 さっそく僕の番になると、課題3点を突破し、外周も十分徐行した。直角クランクもクリアした。多少ふらつきながらもなんとかゴール地点までは完走させてもらえた。
試験官に『名前は』『住所は』と聞かれた。意味もわからずに緊張しながら答えると『免許証出して』の声。何がなんだかわからなかったが、『合格だよ。書き換えるから免許証出して』といわれてようやく理解した。受かるとも思っておらず、『すいません。荷物まるごと控え室に置いてきてしまいました。とってきます。』 と言い残し、他の試験者を掻き分け控え室から中型免許を持ってきて提出した。
あんまりにもうれしくて、近くの金網に飛びつきひとりでガタガタと揺らしていた。
運転免許証の裏面の限定解除の印
免許証の裏面


Last updated 2006.04.06